無難だから、とか、誰にでも似合うから、とか、細く見えるから
という理由で黒色の服を選ぶひとは多いはず
(実際はまったくそうではないのだがそれはまた別のおはなし)
 


それは当然ストッキングにも言えること
 


なのだけれど
 


はきこなすのが最も難しいのが
黒いストッキングだと知っているひとは
果たしてどのくらいいるのだろう
 


ナイロン100%の
「編み」以外に伸縮がないストッキングならば
均一に
しかし
あたかも輪郭だけが浮き上がるような脚に仕立ててくれるが絶滅危惧種だ


 
かたや
いま市民権を得ている一般的なストッキングだと
色のムラが足に乗って美しく見えない
 


もしあなたがいま黒いストッキングをはいていたら
あなたの脚を確認してみて欲しい
 


足首の色だけが濃くなって
それ以外はムラが出て
もっと言うと
指でなぞった痕跡さえ残っているかもしれない
 


あなたはそれでいいのですか?
 


わたしは絶対的にイヤだ
だから黒を脚に纏わせるとき常にわたしは自分にも問うている
 


世の中は安易過ぎる方向へと向かい過ぎてはいないか
別に苦しめるための方向性を支持しているわけではないのだけれど…ね



黒に限らず「ストッキングを美しくはきこなす」という概念を持たないひとは多いはずで
それが悪いとは言わないが
もしこの記事を読んで何か感じるものがあったとしたら
一瞬で構わないから想いを巡らせてみて欲しい
 


どうすれば美しくはきこなせるのか、と
 


何故こんなことを綴るのかというと
ふとあの店からの知らせを目にして想い出したから





たとえばこういうストッキングを
こともなさげにはきこなす女性になりたくて必死に練習した頃を
※気になる方は是非店舗へ



そしてわたしはやはり
こういう世界観が猛烈に好きなのだということも
 



 



はき方のみならず
ストッキングの成り立ちから製造工程に至るまで猛烈な勢いで学び
こんなに素晴らしいものがこの世にまだ残っていることに歓喜した頃が懐かしい
 


でもそれは
だれのためでもなく自分のため
当然男に媚びるためでもない
これを美しくはきこなすことが即ち「わたしという女性のキャリア」になるのだと信じて疑わなかったし
いまでも少なからずそう思う
 


これは理屈で片づけられるものではなく
体感して本能が納得するもの
 


だからこの感覚を一生涯知らないままのひとと
多少なりとも知っているわたしとでは
天と地ほどの隔たりがあると言っても過言ではない



わたしが特別なのではなく
わたしはただそういう生き方を「選んだ」だけ
 


久々に脚を入れてみようか
あのおそろしいほど滑らかな
それでいて
拘束と解放の二律背反でわたしを包む美しい世界の中へと





 





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