体調が悪い

自分のペースを無視して一所懸命にやりすぎたかもしれない

 

 

 

本人はそれを後悔していないのですが

予定をキャンセルさせて頂いたみな様には

本当に申し訳ございません

 

 

 

代わりと言ってはアレですが

『天狼院書店主催ライティング・ゼミ』

で不採用になった2000文字をお届けします

↑ぉぃ! それは違うだろう!

という声が聞こえ…ないことにしておく

 

 

 

「読んでくださるかたはいませんよ」

という意味での不合格の文章だけれど

自分のブログならまあいいか

 

 

 

という訳で本邦初公開

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あなたも外見で人を判断しますよね?
記事:渡邊真由子(ライティング・ゼミ4月コース)

「おねえちゃんに紹介したい人がいるんだよね。すごく良い人だよ。でもね、マジで外見にドン引きするかもしれない。ビックリしないでね」

妹からこんなオファーがあった。

実は私と妹は10年以上も関係を断絶していた。
詳細は全米が涙する一大スペクタクル巨編並みの分量になるので割愛するが、掻い摘むと次のようになる。

妹との断絶時「今生で妹と二度と会うことはない」と心に誓うほど私は彼女のことが大嫌いだった。何故ならば彼女は非常に自己中心的だったから(あくまでも私の視点に過ぎず、妹には妹なりの言い分があることを申し添えておく)。
しかし、相次ぐ両親の死を契機に再会したところかつての妹の姿はそこになく、むしろどんな出来事でも受容できるような人に変容していたのだった。衝撃だった。そのキッカケとなった人だ、というのだ。

「ありがとう。別に外見で人を判断したりしないから大丈夫。連絡してみるね」

ここまで人が変わるなんて一体どういう人なのだろう。興味が湧いたこともあり、私はすぐその方に連絡してみた。
妹に教えてもらった彼の連絡先アイコンは仏画。噂のご本人のお姿はわからない。
その後、電話で話してみたが至って普通の気さくなお人柄、という印象だった。

とにもかくにも、あの妹が繋いでくれたご縁を無駄にしたくないがため一度お会いすることにした私は、待ち合わせ場所に向かう。
約束の時間から2~3分ほど経った頃だろうか。
通りの向こう側から「お疲れーっス!!」という大きな声が聞こえ、振り向いた私は衝撃に包まれた。そして納得した。妹が言っていたのはこのことか、と。

日焼けした浅黒い肌。薄いグレーのサングラス。口元にはごくごく細い髭をたくわえていらっしゃる。
どう見てもルイヴィト○だとひと目でわかるロゴだらけの銀色が眩しいウインドブレーカー、バレ○シアガと大きく描かれたTシャツ、同じくハイブランドの蛍光イエローのハーフパンツ。手に持っていらっしゃるのはクリスチャ○ルブタ○ならではのトゲトゲの鞄。
いくらココが都内有数の繁華街とは言え、衝撃すぎてすべて覚えてしまうほどあまりにも目立つ風貌だった。もっと平たく言うと「チンピラ」「ヤンキー」、申し訳ないがそういう言葉しか浮かばなかった。まず私の周りにはいないタイプの方だった。

「妹さんから聞いたよー。俺に出来ることは何でもバックアップするよ。会いたくてもなかなか会えないヤツもいるけど、姉ちゃん(私)とはすぐ会えたもんな。これもご縁ってヤツだな」

タバコ吸っていい? 彼はそう言い、お互いにいろんなことを話し始めた。
聞けば、難病の子どものための支援をしたり、記憶に新しいあの能登地震の被災地へ炊き出しに出かけたり、経営者としての本業とは別にさまざまな善意の活動をなさっているようだった。

「昔はホントに(とてもここに書けないほど)悪くてさ、よく警察に捕まらなかったと思うよ。でも、大きな事故に遭って臨死体験してから心を入れ替えたんだよね。」

偉そうにするわけでもなく、淡々と彼は語る。

ふと、人生で大きな転換期を迎えたことのある方は大抵同じような経験をなさっていると私は感じた。逆を言えば、それほどの衝撃がないと人生の方向性を変えることは難しいのかもしれない。

それからすぐに想い出した。「地獄の体験をした人は豊かだ」という言葉を。

誰だって自ら望んで地獄など体験したくはないはずだ。
しかし、死にたいと思うほどのその地獄の体験こそが自分を強くし、人を思いやる温かさを育てる。そもそも地獄の体験を味わえるのは選ばれし者だけ。その体験を他者のために使う使命があるからだ、と。
恐らくこの方はそういう体験をしてこられて、もし使命というものが存在するのであれば間違いなくそういう使命を持っていらっしゃるのだろう。

打ち解けてしまえばあれほど驚いた彼の外見など一切気にならない自分に気付いた。
「外見で人を判断しない」と言っておきながら、彼を目の前にしたとき一瞬とはいえ「ヤバイ」と思った自分を恥じた。

「アイツ(妹)も結構苦労しているみたいでさ、この前も夜中まで飲み屋で話を聞いてやったよ。でも少しずつ良くなっているから大丈夫さ」

妹がそれほどまでに苦労していたのは知らなかった。過去の彼女は「この世は自分の言いなり」というタイプだったから。

それにしても、だ。
どう聞いても仕事以外の彼の話には損得勘定がない。そして、どう考えても赤の他人に過ぎない目の前の人の人生を彼が諦めていない。

どうすればその人がもっと良くなるか? を常に考えていらっしゃる。

「誰かに指を差されても構わない、縁あって出会った目の前の人が少しでも良くなるのなら」

という彼の信条なのだろう。どれほど心強いことか。だから妹もわざわざ私に紹介してくれたのかもしれない。

外見はいちばん外側の内面。これは私が掲げる信条のひとつ。
だから、彼に初めて会ったときは一瞬理解が出来なかった。直接彼に確認したわけではないけれど今なら理解できる。何故そういう風貌なのか、を。
恐らくそれは「パフォーマンス」なのだ。
もともとそのような装いが嫌いではないのもあるだろうけれど、あのような風貌であることによって彼の活動が注目されるのは想像に難くない。そればかりか、どんな人にでも可能性があるのだというメッセージにもなる。

外見はいちばん外側の内面。

しかし想いは行動に表れる。
何よりも、たとえあなた自身が人生を諦めたとしても、あなたの人生を諦めない人もまた存在するのだ、と。
放っておいてくれ、と願うかもしれない。ありがとう、と思うかもしれない。
でも、これが揺るぎない現実なのもまた間違いない。
あなたはどう思う? 自分の「可能性」を見てくれる人のことを。
≪終わり≫

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