今日は三ヶ月毎の歯医者
その歯医者の二軒隣にパン屋がある
珍しく足がパン屋に向いた
店に入りいつもまずチェックするのは
父が好きだったガーリックトースト
今日もあった
わりと早く売り切れるのにまだ残っていた
お父さん
あのパンがあるよ
他のお客様もご来店なさるなか
わたしは涙を押さえきれなくなった
このパン屋で泣く客はわたしが初ではなかろうか
「○円でーす」
あれ?泣いてる?やばくね?と思ったはずのいつもの接客のかたに言い訳がましく思い切って打ち明けた
わたしの父はこのガーリックトーストが好きだったの
八月に亡くなって貴店にも伺う機会が減って
でも今日このパンを見たら涙がこみ上げてきた
「そうだったんですね
最近お見えにならないなーって思っていたんですよ
是非たまにはいらしてくださいね
お帰り、どうかお気をつけて」
ヒトはヒトに救われる
父が亡くなったときでさえ涙が出なかったのにこんな場面で涙が抑え切れなくなる
「まだ、ぎまずね、ぅぅぅ」
そう言って店をあとにした
情けないなあ
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