「あなたはもうそろそろコレを纏うのよ」



オーガニック香水を展開するオーナーがわたしにそうおっしゃった



それは
色とりどりの花が咲きこぼれる香り
女神が降臨するときの香り



「意外ですね」
とよく言われるがわたしはどちらかというと
「THE お花」
という香りより
草や樹木、土、そういう香りに惹かれる傾向が強い



だからこの香水を
「あなたに似合うから」
とオーナーに勧められてもずっとお断りしていた
「素敵な香りだけれどあまり気持ちが乗らないのです」



先日オーナーのイベントに参加したとき
「もう観念しなさい」
と言わんばかりに再びこの香りを勧められた



あれだけ拒否し続けてきたのだし何度試してみても同じこと
そう思った



でも不思議なものでこの日の体感はまったく違っていた
華やかで優しくて瑞々しい香りが新鮮に映った
「良いじゃない」
そう素直に思った



ああそうか
わたしはようやく「何か」を受け入れられる状態になったのだとそのときに感じた



わたしは確かに土や草のような香りも好きだけれど
それだけが好きなのだ
それだけがわたしの香りだ
と勝手に自分で範囲を狭めていた



ふと少し前に
「女神になれるものならなってみたい」
そう思ったことを想い出した



ひとは変わる
変われる
それは本当のことだと思う
そしてそれは
「固定概念」を手放したときに起こるのだと思う



カラダに傷のある女神
悪くない





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