後継ぎ遺贈型受益者連続信託とは、例えば、子供がいない夫婦で、「自分→妻→先妻の子」などと、次の次の相続まで、財産の承継先を指定できる信託です。まだ生まれていない孫などを受益者とすることもできます。

自分亡き後の配偶者の生活保障や、後継者確保の手段としてのニーズに対応したものといえそうです。


これに対して、遺言では、自分→妻への財産分けは遺言により指定できますが、妻が死亡した時の財産分けまでは、自分の遺言では指定できません。妻に遺言を書いておいてもらうという手もありますが、妻はいつでも遺言を書き直すことが可能です。


若くてきれいな奥さんをお持ちでお子さんがいない男性などは、「自分亡き後、妻はさっさと若い男と再婚し、自分が苦労して築いた財産が、妻の死亡時には、どこの馬の骨ともわからない男のものになるかもしれない」、などという心配もあるわけです(笑)。


ところで、この後継ぎ遺贈型信託を使えば、自分→妻→子→孫→ひ孫・・・と、財産の承継を永遠に定めておくことはできるのでしょうか?


これについては、当該信託がされたときから「30年」を経過した時以後において、現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得し、かつ、その受益者が死亡し又は当該受益権が消滅するまでの間に限って、その効力を有することとされています。

したがって、実務的には、自分→妻→子とか、自分→妻→先妻の子など、せいぜい3代までの信託が現実的であると考えます。


また、この後継ぎ遺贈型受益者連続信託についても、遺留分減殺請求の対象となると考えられますので、遺留分に配慮した信託が必要でしょう。