先日、夫の父が亡くなりました。

 

直腸がんからの全身がん転移でした。

 

 

 

義父は私の常識をいろいろ破った人でした。

 

 

 

年金を払っていない

保健も入っていない

蓄えはない

その日暮らしのように

働いては遊びに使ってしまう

継ぐ人間が居ないのに墓を建てる

 

 

四年前、ずっと面倒見ていた

義姉が亡くなってしまい

 

残された破天荒な義父を

どうするのかと、心配ばかりつのりました。

 

義父とは一年に一回顔を合わせるだけで

私とは距離感があったので

 

心配事は夫にぶつけていました。

 

 

「年金もらえなくてどーすんのよ!」

 

「保健も無くて病気になったら誰が払いうのよ!」

 

 

当時、私が住宅展示場で働いていた時に知り合った

保険会社の人に相談に乗ってもらい

 

入れる保険は無いか探してもらったりしていましたが、

夫は乗り気ではなく話は宙ぶらりんになりました。

 

 

ムッキー!むかっ

 

 

お金の心配もありましたが

 

私が一番心配だったのは

介護する人私しか居ないじゃん!

 

 

ということ。

 

 

人見知りだし

義父のハッキリした物言いも

大きな声も苦手なのに

介護なんて絶対ムリ

 

だいち私は嘔吐恐怖(嘔吐する人も物もものすごい怖い)だから

病気の介護が何よりも怖い。

自分の子供でさえ逃げ出したくなるのに

絶対イヤと思っていました。

 

 

だから

備えを万全にして

介護しなくてもいい状態に

しておきたかったのだと思います。

 

 

それにはお金だ、保健だ、と。

 

 

でも何を投げかけても

暖簾に腕押しな夫。

 

 

そんなとき

私がどうにかしようとしなくていい

 

 

という事に気付きました。

 

 

介護は嫁がするものとか

親戚の目がとか

義父の評価とか

 

 

そんなものどうでもいいや。

「助けて」と言われるまで

何もしないでいようと決めました。

 

 

 

すると

義父には愛人?友達?なのか

世話をしてくれるおばさんが現れました。

 

 

がんの術後

リハビリを手伝ってくれたり

ご飯を食べさせてくれたり

とにかく、奥さんのように

世話をしてくれたようです。

 

 

ポーンなんじゃそれ!

 

 

いよいよ余命いくばくもない

段階になると

夫が会社に長期介護休暇をもらい

介護することになりました。

 

「最後の親孝行だ。」と言って

自宅で看取ることにしたそうです。

 

 

がんの父を残して海外赴任とかしてたくせに・・・

 

ポーンなんじゃそれ!

 

 

 

結局私に「助けて」と言う人は

誰もおらず

 

最後の時を迎えました。

 

 

心配していたお金も

義兄さんが出してくれて

どうにかなってしまったよう。

 

 

なんだ

 

なんだ

 

こんなことなら

 

 

もっとお義父さんに

会いに行けばよかった

 

 

優しくしてあげたら

介護しなくちゃいけない気がして

遠ざけてしまった。

 

 

 

しばらく夢でうなされた。

おばさんに「なんて゛嫁なのに介護しないの?」って

言われる夢。

 

自分で自分を責めているから

こんな夢を見たのだろう。