こちらを観に行ってきました。





ヤングケアラーを題材にした

現代の"シンデレラ"。



"認知症の祖父

精神を病んだ母親

年に一度

学校で開かれるパーティーに行くことに

母は反対した。

「私たちを捨てるのか」と。

祖父は行っておいでと言ってくれた。

その夜祖父は亡くなった。

母は精神病棟へ入院した。

シンデレラは

望んだ自由を手にした。

はずだった。"



………………………。



よく

見ると精神を病む小説だとか

精神を病む映画だとか謳われている

作品がありますけれど、

これはその舞台版でしょうか。


でも

「病む〜ニヤニヤ

とか言ってられない


これは人間そのものでした。



綺麗事ではない

まったくない

人間讃歌です。




"人は人に支えられ

私は誰かに支えられ

誰かを私は支え、

誰か、誰か、

誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か………

(本当にこう書くしかない内容なの)



逃げたかった現実に

確かに愛はあった

あれこそが愛だった

もう二度と戻らない

私が一番忌み嫌っていた

あれこそが

愛だった。"




舞台の上には

卵のような

檻のような

心臓のような

大きなオブジェがひとつ

ずっとぶら下がっています。

あれはもしかして

愛なのでしょうか。



愛って

柔らかく優しいだけでは

ないのです。


言葉で書くと

安っぽいですね。




そしてこの作品は

ヤングケアラーたちに

届くのでしょうか。と

少し考えたりもしました。


兎に角

80分間ずっと

息を止めて観ていたような感覚でした。


《シンデレラの"家"》

この意味が深く

深く心に沈んでいきました。




ピアニスト様のお誘いの元、

10年ぶりに会ったヴァイオリニスト様と

3人で観に行きました。

観てよかったです。心から。



プロコフィエフの《シンデレラ》を

崩すように現代風にアレンジし、

家電から作った楽器で演奏する音楽も

素晴らしかったです。

その電子的なテルミンのような音が

人の慟哭のようにも聴こえるのです。


コンテンポラリーに相応しい

ミニマルな舞台セットも

中性的な衣装デザインも

すべて本当に素敵でした。


ありがとうございました。






https://www.k-ballet.co.jp/performance/kballetopto3.html