Chapter1 #10

子供達が進学の為に家を出てしばらく経つ。 早くに子供達は巣立った。

子供がいない生活になかなか慣れる事が出来なかった。心を半分どこかに置いて来てしまった様な…それを見ない振りをしながら過ごした。

買い物に行く度に子供達の好物を手に取り、

「あ、そうだ。いないんだった。」

と変な笑みを浮かべそれを商品棚へ戻す。

そんなに子供達に固執してたつもりは無いのに… 子供がいない事は私の心に大きな変化を与えたと思う。カラフルだった景色がモノクロに見える時がある。


夫は相変わらず仕事で忙しかったが、時間がある時は2人で子供達の事を話した。

普段は平気な振りをして過ごしていた。


 
でもLiamには

「寂しい」

と言えた。


彼は

「寂しかったらずっとジムにいたらいいよ。夜は僕にメールくれたらいいよ」

ちょっと恥ずかしそうに言った。
私は素直に嬉しいのに

「寂しくてメールしてくるのはLiamでしょ?」

可愛げのない私はこんな風にしか返せない。

彼はいつもの笑顔でへへっと笑った。