パチンコ屋では常連さんとも仲良くなり、飲みに行こうよと誘ってくる若い男性客もいた。
私は「結婚しているのでダメですよー。」
そう言って断っていたが本音は、絶対に嫌です。誰があんたみたいな男…,
どう見てもお金が無く、それでも毎日パチンコに来ている。ほぼ旦那だ。パチンコ依存症真っ最中な奴らだ。
離婚後一人で生きていく事を考えると不安だったけど、だからと言ってこんな男はもう御免だった。
言い寄ってくるのはそんな連中ばかりで、スタッフ同士の会話でも、
「金もないのにギャンブルばっかりしてる奴なんて嫌だよね」
「やっぱり負けても笑って帰る富裕層だよ」
「富裕層は皆んな結婚してるよ」
「金も無いのにパチンコしてる奴らも結婚してるよ」←ウチだよ
この店では20代で結婚している女の子は私だけで、他は独身だった。
ちょっとしか歳が変わらないのに、一緒にいると若返るようだった。
彼女たちは苦労知らずで、屈託の無い笑顔を見せる。
極楽湯やラーメン(パチンコ店の近くにあった)には付き合えたけれど、服や化粧品の買い物は無理だった…行ってみたいけど断っていた。
そんな余裕あるはずがない。
パチンコ屋に制服があって感謝だった。
まかないもあった。皆んなはマズイと言って食べなかったけど、給料から天引きと聞き私は必ずお願いしていた。
貧困家庭の給食が有難いのと同じだ。
服なんて何年も買ってなかったし、化粧品は全てダイソーだった。
これから離婚して、家を借りて、家電はどうしようか…テレビは贅沢だな。
まずはレンジさえあれば良いか……。
常に暗い現実に引き戻されてしまうのです。
そんな時に出会ったのが、一条だった。
彼は店の常連さんで、富裕層。
彼との出会いで、私はシンデレラになったのです。