まあ、いきなり見知らぬ男に恋人だと名乗られてもハルトも戸惑うに違いない
「お疲れさまでした。面会は如何でしたか?」
面会室を出て、看守に俺の部屋まで案内して貰う最中に看守から尋ねられた
「いや……あんまり話してくれなくて……やっぱり戸惑っているんでしょうね……」
「彼はいつもあんな感じですよ。気にしないでください」
あんな感じ?……あれじゃあ、相談員もお手上げだっただろうな
自分から口を開く事なんて殆んど無いしフードを被ったままで表情も読み取れない
「カガミさん、これをお渡ししておきます」
看守から受け取ったのはサボットというスマホのような端末機だった
どうやらコレでハルトと連絡がとれるらしい
とは言っても話してくれるのかなぁ……
「あと、もうひとつ大事な話があります」
丁度部屋に着いた時に告げられたのはハルトの監視についてだった
「か、監視っ!?それって盗撮じゃないのかっ!?」
「盗撮ではなく監視です。キサラギには悟られないように会話にも気を付けてください」
バレないようにって……やっぱり盗撮じゃん……
気が進まないけどハルトの記憶を取り戻す為だと自分に言い聞かせた
部屋に入りようやく一人になれた
ベッドに身体を投げ出して大きく溜め息をつく
その時、手にしていたサボットが振動した
「えっ?……ハルトから?」

ハルトからの短いメッセージが送られてきた
向こうから送ってくるなんて意外だな


…………なんだ、これ?
ほんとに単に試したかっただけかよ……前途多難だな
キサラギハルト………掴み所が無い男だな
今日2回目の大きな溜め息が漏れていた
