物を盗んではいけませんが、



盗んだ時計を持っているAさんを


事情を知らない他人がみたら、

 




Aさんが、自分で買った時計をしているのか

 

家族から借りた時計をしているのか、


レンタルサービスから借りた時計なのか



分かりません。





超能力とかない限り。






他人の所有権を侵奪してしまったAさんですが、

 


Aさんの権利は保護されます。

 




例えば、Aさんから無理やり時計を奪った

 

 

Bさんに対して、Aさんは返せ!と言えます。

 



なぜならば、民法上、時計を持っているAさんは占有権を有しているとされ、

 

保護される規定があるからです。

これを占有回収の訴え、といい、奪われた時から1年間行使できます。


しかも、元々の時計の所有者の加藤さんが、


俺のだから返せと言って奪い返した場合すら、

Aさんは占有回収の訴えを請求する事が出来ます。



盗人猛々しいですが、

 

 


自力救済は禁止されていますからね。

 

 

 

訴えと言っても、提訴するとうことではなく、請求できる。ってこと。



もちろん、占有の基礎となる本権は、賃借権だったり、使用貸借権だったり、

留置権だったり
、正当な権利に基づく場合がほとんどですが。



とにかく、物を保持している状態が保護されると言う、

 



ちょっと不思議な物件のひとつが



占有権です。



そんな占有権の移転方法には


いくつか種類があります。



(現実の引渡し及び簡易の引渡し)
第百八十二条 占有権の譲渡は、占有物の引渡しによってする。


 譲受人又はその代理人が現に占有物を所持する場合には、占有権の譲渡は、当事者の意思表示のみによってすることができる。




第百八十三条 代理人が自己の占有物を以後本人のために

 

 

占有する意思を表示したときは、

 

 

本人は、これによって占有権を取得する。




いわゆる、占有改定の条文です。



例えば、


売買において、売主が売買の目的物を買主に引き渡さず、

 

賃借人、使用借主、受寄者などとして引き続き所持する場合です。


住んだまま家を売るって、宣伝している


ヤツですねニコニコ