小松未歩の作品紹介も中盤に入ってきたわけですが…
はっきり言ってしまうと、この先ヒット曲はありません。
かなりマイナーゾーンに突入します。
ですが、隠れた名曲、良曲をお探しの方にはここからが本番かも。
ヒット曲はありませんが、別に、駄曲ばかりになるわけじゃありませんからね。
「あれ?こんな所にこんな良い曲が埋もれてたんだ!」
って新たな発見があったりするもんです。


12st Single:Love gone
2001年1月31日発売

 

 

実は【あなたがいるから】、【君の瞳には映らない】に続く恋愛三部作だったそうなんですがジャケットにさほど統一性も無いし、リスナー側からするとあまり関係無いかな…って感じですよね。
そういう意味合いがあるなら、3作を通しての連動性を持たせてリスナーを楽しませてほしかったなと思いました。

例えば、浜崎あゆみの2000年シングルである【vogue】、【Far away】、【SEASONS】は3ヵ月連続リリースでジャケット、PVと連動性を持たせてリスナーを楽しませてくれましたね。

 

 

 

 

こういう括りを持たせるなら何かしらの連動性を仕掛けてみると何かしらの相乗効果も生まれると思うのですが、ここの会社って音楽以外での企画というかアイデアが乏しいのかもしれない。
というか、既に小松未歩に対しての熱量がそれほど無かったのかな…?
倉木麻衣のシングルはしばらくの間、デザインに統一性があって良かったですもんね。

さて、楽曲についてですが今作辺りからダンサブルなメロディーになってきたなという印象があります。
今までの小松楽曲って土台にピアノロックだったり、バンドサウンドを個人的に感じていて、
それもあってWANDSやDEEN、FIELD OF VIEWに楽曲提供できたのかなと思っていました。
それがこの辺りから…厳密に言えば【あなたがいるから】からですかね。
楽曲の毛色が変わってきたなと感じました。
今まではライブでバンド構成の生演奏で映えそうな楽曲だったのが、打ち込みやリミックスで活きそうなメロディーになってきたなと。あくまで個人的主観なんですけどね。

出来については何だか仕上がりきれてない感じ。

もしかすると、時代の変化…音楽トレンドの変化から意識的にそういったメロディーに取り組み始めたのかもしれませんね。
実は、数作後にこの流れの進化を感じる作品があったので後日評価としてこれを語れるわけですが。
編曲は前作から引き続き大賀さん。辛口に言ってしまうと…「これ、デモか?」ってくらい薄味に感じる。
初期の頃の古井さんの味付けを恋しく思ってしまいます(笑)
何と言うか、メロディー&アレンジ共にブラッシュアップしたら化けそうな楽曲だとも思うんですよね。
「何か、惜しいなぁ…」が全体としての感想ですかね。

c/wには【これ以外の愛は永遠に続く】という曲でこれが意外と侮れない楽曲で、
こっちの方がイメージ通りの小松楽曲と言えるかもしれない。
出だしはシリアスな楽曲なのかと思いきや、サビのメロディは結構ポップ。
最終的には爽やかだったなって感触の残る楽曲でした。
聴く価値アリと言いたい楽曲なんですが、収録されているのはこのシングルのみで入手難易度高し。
*但し!ご安心ください。先日、デビュー25周年を機にサブスクが遂に解禁されました。
ちゃんと手に入れられます。でも、単体購入だと割高ですからねぇ。これだけの為に購入するほどじゃないかなぁ?(笑)
(しっかり、2022年の最新情報に対応しております)

順位と売上はもう紹介するのも虚しい域に入ってきました。
26位と最低を更新。累計は前作を微かに上回る約2万3000枚程度。
というか、前作から発売してから100位以内にいれるのが2,3週がやっとになってしまったんですよ。
もう既存ファン以外買ってないのは確定的なんでしょうね…


4th Album:小松未歩4 ~A Thousand feelings~
2001年3月7日発売

 

 

前作から1年1ヶ月ぶりの発売と言う事で標準的ペースでのリリースですね。
そして、シングル【Love gone】からは間を空けずに約1か月後の発売ということで【Love gone】は先行シングルの意味合いも含んでいたのかな。

01.君の瞳には映らない
02.あなたがいるから
03.at him!
04.ただ側にいたいの
05.I don't know the truth
06.Love gone <Album Mix>
07.ともだち以上
08.regret
09.幸せのかたち
10.哀しい恋
11.Hold me tight


シングル3曲、c/w1曲ということで、新曲は7曲なのでオリジナルとしては充実の内容。編曲は【あなたがいるから】を除いて、全て大賀さん。
因みに、【Love gone】は<Album Mix>の表記はありますが、原曲とほぼ大差無し。違いは期待しない方がよし。
前作から古井さん比率が下がり、多数のアレンジャーを起用し出しましたが、今作はもはや大賀さんと作り上げたとも言える作品になりました。
小松自身がアルバムのプロデュースも担当し始めた作品でもありますね。

全体としての感想はシングル含めキラーチューンが無い事もあり、起伏が乏しく地味な印象を受けました。
ミディアムバラード系が多く占め、3曲目と7曲目がポップでアルバムに若干色を添えている感じでしょうか。
4,8,9,11に関しては厳しめに言ってしまえば【あなたがいるから】の亜種って感じでメロディに新鮮さが無い。
ただ、11曲目【Hold me tight】は【あなたがいるから】にハッピーな成分多めにしたような楽曲で締めとして良かったなと思わせる楽曲でした。
アレンジが1作目⇒2作目⇒3作目、そして今作と段々と肉を削ぎ落としてシンプルになっている印象。
それが人によっては…いや、多くの人が地味に感じてしまう原因なのかなと思うのですが、本人プロデュースですしねぇ…これくらいのアレンジが小松本人がイメージしたものなんでしょうかねぇ?
バンドサウンドが減少し、簡素な打ち込みが主体のアレンジ。
時代の潮流に合わせたのか、そうではないのか。そこが個人的には質問してみたいポイントですね。

そんなアルバムで個人的にオススメなのは5曲目【I don't know the truth】。
これも分類すればミディアムバラードの範疇になるとは思うんですが、他とは異彩を放っていて、その後の多数のシングル楽曲と比べてもこっちの方が良いんじゃないか?とさえ思います。
倉木麻衣の【冷たい海】が好きな人ならこれも気に入るんじゃないかなって思う。

結果も一応記しておくと、9位。累計約6万4000枚。まぁ、妥当な結果でしょうか…
売れる要素を探しても見つかりません。
ただ、2年後に発売される歌詞に重きを置いたセレクションアルバムには今作から
4曲も収録されているって事を考えると、本人やスタッフ間では納得の出来だったんでしょうかねぇ?
確かに、ディープな小松未歩ファンからは評価の高いアルバムらしいですしね。



13nd Single:とどまることのない愛
2001年5月30日発売

 

 

個人的には、タイトルが以前DEENに提供した【手ごたえのない愛】と定期的に混同してしまいます(笑)

アルバムからそれほど間を空けずに2か月後の発売。
編曲は引き続き大賀さん。制作時期はアルバムと同時期だったのでしょうか?
曲調は直近のアルバムと同じ空気感のミディアムポップ。
正直、シングルで卸すほどのレベルだったのか?疑問なんですが、意外にもシングル表題曲として初のノンタイアップ。益々、疑問が深まります。直近のアルバムに入れずに単体で送り出す自信があったのだろうか?

そんな地味目な表題曲ではありますが、このシングルにはc/wが2曲あり、そのどちらも新曲!
ってことで、シングルとしては初の新曲3曲収録となりました。
2曲目【glass】は何となくエンディングのようなしっとりとした楽曲で個人的な感想では「サビあった?」と二度聴きしてしまいました(笑)メロが段々と盛り上がってきてサビが来るのか!と思いきやそこで終わりみたいな。
3曲目【NAKED】は形容しがたい不思議な曲。明るい曲ではないけどバラードのリズムではない。
個性的なリズムのメロディなので頭に残りやすい。とにかく、不思議な曲。個人的には表題曲よりこっちの方が印象に残る。

順位は22位でぜんさくを上回るものの売上は累計でも約1万6000枚程度で前作を下回る。
遂に2万台切っちゃいましたね。直近のアルバムでさらにファン離れが進んだか…



14rd Single:さいごの砦
2001年8月8日発売

 

 

勢いがあった頃を彷彿とさせるアップテンポな楽曲。そうなると必然的に感じるのはアレンジの差。
今作も大賀さんなわけですが楽曲が軽いんですよね。初期古井編曲は楽曲に明確な色を提示してくれて、
リスナーにグッと楽曲を押し付ける力強さみたいなものを感じるんで、印象に残りやすいんですよね。
加えて、小松未歩の歌唱って基本的に力強さは無いんで、アップテンポな楽曲だと特に編曲で支えてあげないと全体像がヘロヘロになってしまう。
ということで、今作の感想としては物足りないとなってしまうでしょうね。
前提として、メロディ自体もヒットしていた頃よりも弱い事は確かですが…

そういえば、ハッキリとサビで始まるパターンも久しぶりでしたね。
小松未歩のヒット曲って大体サビ始まりなんですよ。大体というか全てか。
で、GIZA移籍後の8枚目シングル【最短距離で】からサビ始まりが無くなってたんです。
※【君の瞳には映らない】は若干特殊でサビ頭を加工して入りにはなってます。
ということで実質、7枚目シングル【さよならのかけら】以来のサビ始まりだったわけですね。
そう考えると、メロディに加え、構成もその当時を意識していたのかな?

c/wにはまず、【愛の唄】。タイトルからして、最近多めのミディアムバラードかと思いきや比較的アップテンポな楽曲。
そして、久しぶりにバンドサウンド寄りのアレンジ。大賀さんでこっちの方向は初めてに近い?
この楽曲は次のアルバムにも収録されますし、悪くないと思います。
ただ、気になったのは小松未歩の歌声に力強さが無い。ちょっと気の抜けた感じが気になります。
【チャンス】の頃ってもう少し元気のある歌声だった気がするのですが…

さらに、ここにきて2枚目シングルだった【輝ける星】の<delightful ver.>なるリアレンジが収録されています。
何と言うかGIZA流の軽い打ち込みアレンジって感じですね。原曲がめちゃ手が込んでて完成度が十分高かっただけに、私としては「何してくれとるんじゃ!」でした(笑)

30位。累計約1万5000枚。
ある意味、ヒットパターンの「最後の砦」を出してきたけど、売上の下降線は止められなかったって感じですかねぇ…

 

 

次回に続く!