前回からちょっと間が空いちゃいましたねガーン

書いてはいたのですがどうにも文章がまとまらなくてずるずると時間だけが経ってしまいましたえーん

 

前回はベストまで紹介しました。
西川さん的にもここが一つの区切りだったようで、次の作品から新しいT.M.Revolutionの始まりとも言えるのでしょう。


17th Single:INVOKE
 

前作から8ヶ月ぶり。2002年10月30日発売。

今作はTMRとしてだけではなく、西川さんとしても非常に重要なターニングポイントとなる作品になりました。

既に何度か名前は出していましたが、今作は『機動戦士ガンダムSEED』のOPに起用されました。
今ではアニメやゲームとの関わりが強い印象の強い西川さんですが、この時点では3枚目のシングルである
【HEART OF SWORD】以来の2度目のアニメタイアップでした。
そして、このガンダムとの出逢いが今後のTMRだけでなく西川さんの活動に大きく影響してくるわけです。

そもそも、このOP起用はレコード会社主導というわけではなく、このアニメの監督である福田己津央さんの意向が働いています。
復習~その5~で述べましたが、監督が【THUNDERBIRD】を気に入っていたことがきっかけです。
そういった経緯もあり、西川さんはこのアニメにおいて、OPを歌うだけでなく、さらに深く関わることになります。
元から用意してあったのか、この為に新しく入れ込んだのかは分かりませんが、
主人公と敵対する陣営の一キャラの声優として西川さんが参加することになったのです。
実は、【HEART OF SWORD】のタイアップでもあった【るろうに剣心】においても、声優として参加していたのですが、今回の参加はその時のような”ゲスト”的な扱いよりももう1歩踏み込んだ、作品とのコラボレーション的な感覚だったようで、この当時の西川さんのインタビューでは、「ビジネスとしてのタイアップ」ともっとタイアップ先に歩み寄った「コラボレーションとしてのタイアップ」の違いに気付かされたと語っています。
この”気付き”はこの先の西川さんの活動に大きな影響を与えたようで、その後のタイアップへの関わり方は確かに変化していったように見受けられますね。

まぁ、結局このキャラは数話で死んでしまうのですが、印象的な戦死で、監督の西川さんへのリスペクトが十分感じられる扱いでしたねぇ。
因みに、このパターンは次のOPを担当するビビアン・スーも受け継いで参加しました(中々の棒読みだったけど…)。ビビアンは明らかに”仕事”と割り切って参加していたのかな…???

さて、今回の作品が重要なポイントであるのは売上面でも結果を出したことにあります。
初登場2位。初動9万6000枚。
順位はタイミングに左右されるものではありますが、
2位という数字は【WILD RUSH】以来ということですからTMR-e直前の作品以来ということで結構久しぶり。
そして、初動。前作からほぼ倍増。再始動後では最高の数値ということで、しばらくの下り坂傾向に歯止めをかけられました。
累計売上ではさらに顕著に良好な伸びが見られ、約25万枚まで到達。
TMR再始動後に20万枚突破したシングルはありませんでしたから、この数字は初動の回復以上に大きな結果です。
離れていたファンが戻ってきたか、今までTMR作品を手に取っていなかった層に響いたか。
どちらにおいても嬉しい結果です。

この好結果の最大要因。それは間違いなく『ガンダム』というキラーコンテンツによるものでしょう。
ガンダムシリーズのどれもがどれもテーマソングのヒットに好影響をもたらすとは言い切れない部分はありますが、今までのシリーズの大抵は担当アーティストにプラスに働いていますし、
今作『ガンダムSEED』はテレビシリーズとして珍しく18時台という注目度の高い時間帯での放送であり、
実際、人気も出て成功したシリーズと言われています。
特に、今作は1年間のシリーズでOPが約3ヵ月交代の計4曲使用されたのですが、どれもヒットしましたね。
ここから玉置成実が出世していきました。(ガンダム以外でヒット曲出せなかったけど…)

このシリーズのOP,EDで色々な楽曲が起用されましたが、
個人的には最初のOPである【INVOKE】と、同じく最初のEDであったSee-Sawの【あんなに一緒だったのに】は
ベストでしたね。完璧なOPとEDだったと思います。その後、起用された楽曲も全く悪く無いんですけど、この2曲には及ばないと断言できます。

そして、このアニメタイアップの絶大なる効果も西川さんの考えに大きな影響を与えたのでしょう。
その後の活動においてアニメやゲームとの関わりが深くなっていったのは皆さんご存知の通りだと思います。
もちろん、アニメやゲームが優良コンテンツだから安直に近づいたというわけでは無く、
西川さんの根底にあったオタク気質やTMRの音楽性とアニメやゲームの持つ性質やファン層が上手くマッチングしたからこそのその後の良好な付き合いだと思いますね。
たまにいますからね。アニメが仕事になるからと、無知なのに近寄ってくるタレントとかアーティスト。誰とは言いませんが…。

さて、楽曲についてほとんど触れていませんでしたね。
この年の初めにベストをリリースした頃には、一つの区切りとこれからの変化を語っていたのですが、
間を置いてリリースした今回の新曲はある意味意外なほどにTMRの王道的な打ち込みベースで、
ギター等の生音の存在感も無く、且つ再始動後の楽曲に増えていた吠える系の歌唱でもない。
前シングル【Out Of Orbit】が正しくTMRの王道を狙った楽曲でしたが、そこのラインからより洗練させた形といった感じでしょうか。
とにかく、今までの楽曲で一番格好良いんじゃないかと思います。
ただ、そんな王道的な感覚はあるものの、何か今までとは違う新しさも感じました。
この感じは何なんだろう?と考えてみたのですが、楽曲の持つ性質にあるのかな?
CDのジャケットが流木みたいなものが写っているだけで本人不在だったり、
PVも今までのようなキャッチーさや話題性強調では無く、
多分ガンダムSEEDを意識したと思われるような、それでありながら非常に難解で、西川さんが終始苦悩しているよな映像だったりと今までとは違うTMRを提示してきたようにも思います。
まぁ、PVに関しては【BOARDING】の頃から変化してきてましたし、前作【Out Of Orbit】も旧型宇宙船的な内容だったりで、今作でいきなり変化したってわけでもないですけどね。不思議と繋がっている感覚もあるっちゃありますよね。

 

 

当時のインタビューで語られていますが、ベストリリース後の春のライブにおいて得た感覚が、その後の活動に影響しているらしいですね。
ベストをリリースする頃は「とにかく変化を、新しい何かを提示しなくては!」という感覚が常にあり、若干追い詰められていたと。
それが、春のベスト的内容のライブをやった時のファンの反応を改めて見た時に、今までのTMRの作品群の良さや面白さを再認識したようで、
「変化」だけでは無く、「今までの活動の更なる追及」も思い浮かんだようです。要するに「まだまだだな。」って思ったそうです。
このインタビューを読んで、今回の新曲がこうなったことも自然と納得できましたね。
今までの路線のその先を提示してきたんだなと。
そして、その提示は今までのファンを満足させ、新たなファン獲得にも繋がる一定の成功を勝ち取ったなと言える結果になったと思います。

このシングルにはc/wが収録されているんですが、いつものように次のアルバムに…とはならず、
初めてその後のアルバムに未だ収録されていないんです!
【Pied Piper】という楽曲で、5枚目のアルバム【progress】辺りに収録されていても違和感無い感じのテンポ良い楽曲で、【INVOKE】よりポップかもしれませんね。聴いてみる価値はあると思いますよ!


久しぶりにヒット曲が出て、次作への期待も盛り上がる中でリリースされた次の作品は意外にもアルバムでした。

6th Album:coordinate
 

2003年3月26日発売。

01.ABORT//CLEAR
02.Out Of Orbit ~Triple ZERO~ (phase shift mix)
03.INVOKE -インヴォーク-

04.Meteor -ミーティア-
05.NEO SPHERE
06.BRIGADE
07.Juggling ~acoustic GTR "turbo" starter~

08.Tide Moon River
09.BOARDING (phase shift armoured version)
10.INVOKE -インヴォーク- (TV opening version)
11.THUNDERBIRD (version "in the force")


前作から2年5か月ぶり。
一応、6枚目の”オリジナルアルバム”なんですが…
コンセプトアルバムという側面が強く、オリジナルアルバムとしての充実度は微妙というレベル。
これから先のオリジナルアルバム含め一番評価の難しい作品と言えます。

何のコンセプトかというと、完全に『ガンダムSEED』仕様。
そもそも、今作のタイトルである【coordinate】。ガンダムを見ていない人からしたら気付かないと思いますが、
ガンダムSEEDにおいて最重要ワードなんです。
厳密に言うと、作中で出てくるワードは「コーディネイター(Coordinator)」
作中での一つの人種概念であり、「遺伝子調整によってあらかじめ強靱な肉体と優秀な頭脳を持った新人類」と定義されています。
遺伝子調整されていない一般人は「ナチュラル」と呼ばれています。
西川さんが演じたミゲルというキャラクターもコーディネイターです。
更に付け加えると、1曲目のタイトルやリミックスに使われている”phase shift”という単語も劇中で使われているもの。

まぁ、SEEDは見ていないけど、初代ガンダムから逆襲のシャア辺りまでは見ていたよって方に説明するならば、
コーディネイターはニュータイプみたいなもんでしょうね。
ニュータイプとは…
いやいや、ガンダムの解説ばっかりしてる場合じゃない(笑)

話を戻して、
ということで、このアルバムはある意味”for ガンダムSEED”ってことでしょうね。
正直、このアルバムをいつ企画されたんでしょうね?
前もって綿密に計画されたとは思えない突貫工事的内容に思えてなりません。
収録曲を見て頂ければ分かりますが、ベストに収録されたシングル曲がアレンジされて収録されています。
ベストで区切ったのでは?という違和感はあります。
【Out Of Orbit】はほぼシングルに近い。
【BOARDING】は結構イジってます。ただ、原曲が大好きな私にとっては微妙かなぁ…
こうしてベスト前のシングル曲も入れた経緯について、
当時のインタビューでは「紆余曲折を経ての今」と語っていましたね。

c/wでは、6曲目【BRIGADE】はそのまま。
そして、7曲目【Juggling】はアレンジされています。タイトルに”turbo”と入っていますが、
この意味については復習~その6~で取り上げたTMR-eの時に述べましたよね。
西川さんの愛称です。
原曲に、アコギのイントロが追加されているのですが、それを演奏しているのが西川さんらしいです。
【BOARDING】の頃から稀に、西川さんがアコギを弾く機会が見られますが、これは本人の変化への意識の表れだったのかもしれませんね。

アルバム新曲は4曲。
1曲目、4曲目、5曲目、8曲目。
その中でも特筆すべき楽曲は4曲目の【Meteor -ミーティア-】でしょう。
『ガンダムSEED』にて挿入歌として印象的な場面で起用された重要楽曲。
TMRの正統派バラードで、TMRファン、ガンダムファンからも人気の高い楽曲です。
このアルバムの根幹とも言えるかもしれませんね。シングルで十分出せるレベルなんです。
PVも制作されています。後にセルフカバーもされますよ。辿りつくのがちょっぴり面倒かもしれないけど…。

 

 

8曲目【Tide Moon River】はTMRアルバム恒例の頭文字TMRシリーズ。コンセプトアルバムでもしっかり入れてくれました。アコギが軸のTMRとしては異色の楽曲。

さて、最後に触れておかなければならないのは11曲目の【THUNDERBIRD】。
これ、新しいアレンジでも何でも無く、4枚目のアルバムに収録されたバージョンが再収録されただけなんです。
つまり、【THUNDERBIRD (version"in the force")】=【THUNDERBIRD (Album mix)】ってことです。
これは何故か?今回の復習の序盤で出ましたよね?
そう!福田監督のお気に入り楽曲。この曲あっての西川さんと今作のガンダムSEEDとの出逢いってわけで収録されたんでしょうね。
この曲の収録経緯から考えても、このアルバムがガンダム仕様だってことが分かって頂けるでしょう。

そんなアルバムの結果はというと、
初登場9位で、初動は6万枚。シングルの勢いは全く追い風にならず、ガンダムに乗っかった影響もあまり無く…。
順位については、音楽業界でお馴染みの3月リリースラッシュに巻き込まれた感が強いと思います。
実際、この週のTOP10でこの作品含め6作が初登場ですから。
でも、1位のモーニング娘。のアルバムで初動12万の週だったので、ハイレベルな週ってわけでも無かったんですけどね。
で、すぐ下の10位はくずのアルバムで5万8000枚。特に、約7万から約6万に7作がひしめき合っていました。
問題は売上でしょう。前作の10万枚から下降。
【INVOKE】がガンダム特需と楽曲の良さからくる単発的なヒットだったのでしょうか。
それと、やはり今作の収録内容による期待感の薄さ。
累計でも約10万枚と全く伸びませんでした。
売上度外視の記念アルバムと考えればこれでもいいのかもしれませんけど…どうなんでしょうね?


そういえば、この週のランキングはシングルが凄い事になっていてアルバムが全然目立ってなかったんです。
B'zが新曲と共に過去の8cmシングルを12cmにして10作品リリースした週でして、
結果は1位と3位~12位までB'zになるという後にも先にもないとんでもない週になったんです。
テレビでのランキング紹介も面白い事になってましたよね。
ちなみに、抜けている2位。誰だか分かりますか?覚えてますか?
超モンスターシングルです。



正解は、SMAP【世界に一つだけの花】。4週目。
今度、SMAPとしてこの歌を聴ける日はいつ来るんですかねぇ~。気長に待ちましょうか。


ということで、今回はシングルとアルバムの1枚ずつの紹介になってしまいましたが、
ガンダムSEED関連の作品だったということでここまでにしておきます。

次回に続く!(次回はもう少し早く更新できるように頑張ります!)