昨日の夜勤入りの夕方、
初めてツッチー(仮名)さんという
患者さんの声を聞いた。
ツッチーさんというのは
普段殆ど意識がないような状態で、
経管栄養を胃に流し込み、勿論寝たきり。
でもごく稀に「言葉を発した」
という噂を聞くことがあるが、
私がこの仕事を始めてから2年間、
私は2度程“チチチチチッ”というような
鳥のような声を発するのを聞いただけで、
とても“喋る”とは信じられないからだ。
でも昨日、同室の他の患者さんの
食事準備をしていた時、
「あんた誰?」
という声を聞いた。
ビックリしてベッドの脇に行き、
「まぁ、ツッチーさん、私の事分かる?」
と聞いてみた。
首をかしげ、
「・・・分からんわ。」
日頃、なるべく
“おはよう、オムツかえるね。”とか
“ベッド上げるね。”“さあ今からお風呂ですよ”
等と、なるべく声を掛けるようにしているのだが、
やっぱりそんな日頃の意識は全くないんだよね。
「ツッチーさん、外の山に雪が見えるでしょ?
昨日また雪が降ったから。
でももうすぐ春なんですよ。
ツッチーさんが最後に覚えてる時はどうだった?」
(‐^▽^‐)
普段、全く反応がない人から
返事が返ってくることが嬉しくて
いろいろと話しかけていると
フローラル君が入ってきた。
彼にとってもツッチーさんが喋るのは
珍しい出来事。
「誰来たが?」
と言うので
「ムーミンだよ。」
と言ってみた。
「ミーミンって何?」
と首を傾げるので、
「と~っても珍しい生き物だよ。」
“こらこら、一体なのを教えるんだ!?”
と怒ったフローラル君が
ツッチーさん、違うよ・・・と顔を近づけていくと
“うわぁぁぁ・・・!!”
ヽ((◎д◎ ))ゝ
とツッチーさんがもの凄く驚いた顔で
手を震わせて拒否反応を示した。
そのあまりの反応に驚き、
思わず二人で笑ってしまった。
それにしても「珍しい生き物」という
こちらの言葉を理解し、それを信じ反応するなんて
なんてすごいの!!
( ̄□ ̄;)!!
でもその後、面白がって2度、3度と
ツッチーの反応を見て喜んでいたが、
入ってきたスズちゃんが
その反応を見たい、と言った時には
またいつもの“眠り姫”に返っていった。
今度意識が戻る時、
きっとまた季節が巡っているだろうな。
それにしても
意識が、反応が無いとき、
人間的な感覚は、感情はどこまであるのだろう。
なんだかとっても不思議。(-"-;A