「当初、“必要以上の治療は望まない”

という事で希望は伺っておりますが、

あの時と違って今は病状も安定していますし、

今後の治療方針について

もう一度伺いたいのですが・・・」

お舅さんと旦那と私を前に

主医師はゆっくりとそう言った。

先日、仕事先に

お姑さん入院する病院から電話があった時、

「ああ、とうとう・・・」

と驚き覚悟したのだが、電話の向こうからは

「驚かしてスイマセン・・・」

何のことはない、

「今後の治療方針について家族と話し合いたいので、

今度家族で来てください」

という話だった。

早速連絡をとった旦那の兄弟達は仕事ということで、

私達三人で病院に向かったのだ。

以前と違い点滴の数も減り、

モニターもなくなく、頻回な吸痰の必要もない・・・

唯、殆ど水分だけの点滴だけ。

治療らしいことは殆どしていない今、

「経管栄養、あるいは中心静脈に

高カロリーの点滴を入れるかしなければ、

このままでは栄養が取れず、

衰弱を待つだけになってしまう。」

という話になったのだ。

(因みに入院費は月100万近くかかっているが、

老人医療なので、一定額以上は

私達にはかかって来ないので

その点は助かっているのだが・・・)

意識の戻らない、植物状態のまま

何年も生き続けること

本人にとって幸せだとは思えない。

それは私だけでなく、主人の兄弟も

親戚も、皆同じ意見であり、

「意識が戻る可能性がないのなら、

下手な延命はしない。自然に逝かしてあげたい。」

という考えは一緒だった。

だので、今回の先生の申し出を想定し、

その場合は勿論却下

と確認してこの場に臨んだ筈だったが、

お舅さんは先生の問いかけに一言も発せず、

「どう思う?」

と私に振ってくる。

嫁の立場も私が返事するのはおこがましいので、

話し合いの初めに

「皆の意見は確認してあります。

お舅さんに一任します。

誰も文句言いませんので。」

と言っておいたのに・・・!!

う~~ん、結局私がさりげなく

皆の意見を言ったり、先生に質問して

お舅さんに発言を促し、最後にやっと

「先生、どうせ助からないなら

このままでいいです。」

というお舅さんの言葉を引き出した。

よく言ってくれた、お舅さん!!

病室に戻ると、待っていた叔父さんに

お舅さんは堰を切ったように

「どうせ助からんのに、栄養入れろ、って

そんな無駄なことして何になる!!

そんなことしたら、このまんま何年も、

下手したら何十年も行き続けることになるのに!!

と雄弁に語りだした。

(おじさんも「そうだ、その通りだ」)

延命を薦める先生に対して

それを断るのは勇気がいる、と言うか、

お姑さんを見捨てるようで疾しさがある

っていうのはわかる。

それはみんな同じだから。

でもだからって返事を逃げるお舅さん、

嫁の私に振らないで~~!!