中学か、高校の頃のいわゆる思春期、

詩集を手に取っていた頃がある。

その中で、強烈な印象を私に残した詩がある。

この悩ましい肉体を 冷たいものが包む時

ああ 滅びを知らぬ魂は どこへ彷徨うのか。

で始まる、確か「私の身体を冷たいものが包む時」

という題名の四連詩だ。

作者が誰だか思い出せないが、

以前から「死」が全ての終焉、無ではない、

と思っていた私は

「この作者は死後の世界を実際に体験したのでは…」

と思うほど、この詩に現実味を感じた。

20年以上の間、ずっと記憶の底に

沈んでいたこの詩が、

なぜだろう、最近になって

徐々に記憶の底から浮かび上がってきた。

一連目の二行ほどがどうしても思い出せないが、

二連目以降は、確かこんな感じだったと思う。

(もしかしたら私の頭の中で

言葉は変化し、原形から離れているかもしれないが)

永劫の 限りない 朽ちざるもの。

眼に見えぬ思想 しかも眼の如く

地上と天空のあらゆるものを 眺め回しつつ

想い出に耽るであろう。

過ぎていった歳月が ただおぼろげの内に

後を留めるものを。

魂は一望の元に広々と見渡し

たちまち過去の一切はそこに再現する。

その双眸は 混沌の闇を眩き 遡っていき

地に創造の始まった以前に駆けて行き

この魂こそ始原の動向を

未来の破壊と創造とを見詰め

太陽が消える時にも

宇宙が破綻する時にも

自らの永劫の性に縛られ

その眼は全ての行方を打ち眺める。

愛 憎しみ 悲しみ 恐れ…

それらの内に それらの上に

魂は情熱を超えた純粋のままに生き

時代は一年の如く短に流れ

年はただ瞬間の如く漂い

遥かに 遥かに 翼も無く

駆り行く思念は 名もつけがたく

死滅とは何であるかも

忘却させられるであろう。

この詩の作者が誰だったのか、

一連目の抜けた部分はどんなだったか、

最近とても気になっている。