仕事から帰った時、玄関の近くのコンクリート上に
あるものが視界に入り、ギクッとした。
恐る恐る近づくと、もぞもぞ動いているのは、
紛れも無いスズメバチ。
何故だかわからないが、羽がない。
羽が無くて飛べない、という事に安心した私、
生まれて初めてスズメバチというものを
まじまじと観察したのだが、
まるでドングリに、茶色とオレンジで
ペインティングを施したような
鮮やかな腹部、そしてまるで漫画のような、
おもちゃのようなはっきりした顔に驚いた。
しかし感心している場合ではない。
いくら飛べない、といっても、相手は悪高きスズメバチ。
玄関に合った殺虫スプレーを思いっきり吹き付けた。
スプレーを避けるように後ずさっていくが、
「これだけすれば大丈夫だろう。」と思われるまで、
思いっきりスプレー噴射。
なかなかしぶとかったが、
暫くしたら苦しそうに身体を曲げ、
コロコロと坂を転がりだし、七転八倒。
「スズメバチに刺された」というニュースが
最近テレビでもよく伝えられるが、
実は以前、旦那も頭をスズメバチに刺された事がある。
15歳の長男を出産後、実家に帰っていた時、
アケビを食べたことが無い、と言う私のために
アケビを採りに実家の裏山に入り、
刺されてしまったらしい。
旦那の頭のてっぺんを手当てされた姿を見て
思わず「大袈裟な。」と大笑いしてしまったが、
点滴してきた、と聞いて驚いたものだ。
今になって振り返ると信じられないことだが、
その時、私はスズメバチの恐ろしさを知らなかったのだ。
その後、坂を転がったスズメバチがどうなったのか、
というと、水のたまった穴に落ち、
もがいていたが、
私の言った「羽のないスズメバチ」の
存在を確かめにきたお姑さんに引き上げられ、
「息の根を止めとかないと。」
と、粉みじんに踏み潰されてしまった。
何もそこまでしなくったて…
と、ちょっとスズメバチにちょっと同情。