病院を舞台とした有名なドラマは割りと多い気がする。

「ナースのお仕事」「救急病棟」「シカゴコープ」「ER」

といったコメディからシリアスものまで。

どれもが“死”というものをドラマティックに盛り上げられ、

観ている私達は思わず重苦しい気分にさせられる。

 

実は、私が病院のケアとして働きだしてからの三ヶ月の間に、

私の勤務する介護病棟の患者さん約50人から三人の患者さんが亡くなった。

その中の一人(殆ど意識がないような患者さんだったが)を、

勤務して間もない頃、私は実際に見送った。

病室で家族がお別れした後、霊安室で看護士さんが身体を清拭し、

身体中の穴に綿を詰め、(そうしなければ体液が出てくるらしい)

着物に着替えさせ、お線香を上げるのだ。

涙もろくドラマでもすぐ泣くし、

そして何より、“死体”というものに全く慣れていない私、

(“死体”に慣れている人なんて、そうそういるものではなかろうが)

きっとこういう事は苦手だろうと思っていたのに、

意外な事に、「悲しい、怖い、気持ち悪い」という感情より、

正直言うと、

「一体どんな風にするんだろう。」という好奇心が優っていた。

 

 

唯、遺族の方々の姿には流石に神妙な気分になったが、

霊安室脇に霊柩車が横付けされる段になり、

慣れない運転手の下手な運転ぶりに神妙な霊安室の雰囲気も一転、

「危ない!!」「何やってんの!!」とその場は

ワーワー、キャーキャー大騒ぎに。

そしてやっと車を横付けして、遺体を運ぶために

入ってきた運転手の姿をみて思わず笑いそうになってしまった。

今、人気の若手お笑い芸人の一人に・・・似てる!!

これってもしかしてコント!?

 

なんだかオチがついたようで、より一層感慨深くなった

私の「患者さんの死」初体験だった。