パリ13区のホテルにて。朝食は、機内食のパンとKiriチーズとバナナ(ここまで機内で調達)、カルフールで買った小さなパン・オ・ショコラ、部屋にあった紅茶。こういう旅では食料確保するため、ジップロックと紙ナプキンを常に持ち歩いているのが役に立つ。
チェックアウトしたら、ワンブロック先の14日からの宿Citadines Place d’Italieに移動、事前の約束どおりスーツケースを預かってもらう。ロビーが広く、受付の若い男性たちもテキパキ、なかなか好印象。15時過ぎに東駅から高速列車TGVでランスに移動するので、3泊分の荷物を持ってパリの半日観光へ。
物価高の今回、無料の美術館を検討して選んだのが、プチ・パレ。ここは1900年のパリ万博の会場だった建物で、外観、内装とも壮麗。すぐそばのグラン・パレや有名なアレクサンドル三世橋、ここから見えるエッフェル塔も同時に建設され、世界からの客はこの壮大な都市美に驚いた事だろう。途方もない予算がかかっただろうが、125年たった今も変わらぬ美しさで、町の風格を押し上げているのだから、元を取って余りある。こういう都市づくりがいい。
彫刻、見事なアンティーク家具のコレクション(昔の王族の豪華な輿などが面白かった)、モネやシスレー、コロー等の名画など予想以上の充実した展示が、混雑とは無縁の、空間自体が美しい建物で鑑賞できる。至福の時でした。お目当ての庭園カフェが工事で閉まっていたのが残念過ぎた。
次に隣のグラン・パレで3つの無料企画展を見た。ここは現代的で先進的な企画展やイベントを常時複数開いており、6月15日に日本人女性パティシエールが料理をするパフォーマンスを見に来る予定だったが、この日に展示を見終わったので、行かなかった…。
ランス行の電車まではまだ時間があるが、とにかく暑い…アレクサンドル三世橋を渡ってセーヌ川の川岸に降りてみると、風があり心地よい。河岸の屋外ビアガーデンのような店でみんな昼からビール片手に涼をとっている。私はフランボワーズ味のInfusion bio(フランスはなんでもbioを称したがる)で一息つく。
さて東駅からTGVで1時間弱、シャンパーニュ地方の大都市ランスに降り立つ。シャンパーニュ3泊の旅の始まりだ。私は2度目のランス、名所も一通り見ているため、色々調べて世界遺産のサンレミ修道院附属の博物館を見る予定だったが、駅から遠いし残り1時間では慌ただしい見学になりそうで、早々に諦める。ホテルでしばし涼んで夕方を待つ。ランス駅で買った名物のピンクのお菓子ビスキュイ・ローズを食べてみた。カリカリして特別に美味しいものではなかったが、部屋でお茶が淹れられるとホッとします。
18時になっても陽射しは弱まらない中、賑やかな中心部をぶらぶらと大聖堂めがけて歩く。ランスの大聖堂は古くは9世紀のフランク王国の時代から歴代のフランス王の戴冠式が行われた、格式の高い聖堂で、その圧倒的な大きさと、ゴシック特有の繊細な装飾にはやはり畏敬と感動を覚える(私は教会建築、特にゴシックが好きなのだ)。
夕食は、大聖堂に面した五つ星ホテル内のレストラン、ラ・グランド・ジョルジェットを予約していた。ここは次女の知人で、ワインや美食に詳しい方がお勧め下さったお店だ。2日ほど前に予約確認のメールが来ていたが、出発のどさくさですぐには返事できなかった。それなりのレストランでは普通の事になりつつあり、返事がないと自動キャンセルになる店もあるらしいので、気を付けましょう。
前菜、魚、肉、デザートの4皿のコースを頑張って選ぶが、最初にアミューズが3皿も出てきた。歯ざわりやかすかな苦みが食欲を刺激し、これからの料理への期待が高まる。ここはシャンパーニュをグラスで頼んだが、あまりお酒は強くないので1杯しか飲めないと言うと、ソムリエが飲みやすいのを選んでくれた。非常に美味しかった。前菜の白アスパラガスは、ラヴィゴットソースにナッツを加えて、野菜の繊維の歯ごたえを最大限に生かしており、人生で一番美味しいアスパラだった。続く魚のすり身のクネル、仔牛のコンソメ掛け、ピスタチオのパイと、軽やかな味わいで最後まで美味しくいただいた。大聖堂が目の前のテラス席で、サービスは完ぺきだがカジュアルで肩が凝らない雰囲気で、とても素敵な食体験だった。