2006年8月8日運命の日。
「2泊~3泊ぐらいの入院予定になりますので金曜日には退院できると思います。
こちらから連絡しますね」。
「よろしくお願いします。じじがんばってね!!!」。
じじを眼科のみなさんへお願いし、私はひとり帰宅した。
いつもいる誰かがいない時間や空間は、とてつもなく淋しく感じる。
早くじじに会いたくて、病院からの連絡をひたすら待った。
金曜日に退院できるなら木曜日までには連絡が入るはずだけれど・・・
病院からの電話が鳴ったのは金曜日の夕方だった。
「動物眼科院長です」。
待ちわびていた電話だったはずのに「じじさんの容体が芳しくないので入院期間を少し
延長させてください」と言われ、血の気が引いた。
本当に倒れてしまいそうだったので、母に電話を代わってもらった。
電話を切った母は「院長先生が詳しくお話ししたいから、明日病院に来てって」と言う。
翌日は土曜日なので、仕事が休みの母と2人で病院へ向かうことにした。
病院へ着き待合室でしばらく待っていると名前が呼ばれ、2人で診察室へ入ると、
そこへ院長がやって来た。
母が初めましてだったこともあり、院長は犬の若年性白内障の説明から入り、
そしていよいよじじの現状が説明された。
院長がしっかりと丁寧に説明してくれているのはわかったけれど、
私の頭の中は真っ白で、なので言われている言葉の意味を飲み込むことができずにいた。
ただ「ほんの少し針が触れただけでじじの目が異常反応を示し、どうするか悩んだけれど
レンズだけは入れました」という言葉だけはきちんと理解することができた。
一通り説明が終わると看護士さんがじじを連れて来た。
じじ???
じじの目が・・・青?グレー?普通じゃなかった。
「じじ・・・」。
私はなんてことをしてしまったのだろう・・・
「ごめんね、ごめんね、ごめんね・・・」。
私は我慢できず大泣きし、ただただじじを抱きしめた。
頭の中が真っ白だったのはきっと母も同じだったのだろう。
「この子を連れて帰ります!!!」。
母がそう言った。
すると院長は「手術から少しずつ変化しているので、もう少しじじさんの様子を見させて
ください」と。
院長の言葉に冷静さを取り戻した母は「そうですよね、何かあった時私たちじゃ
対処できない。じじをよろしくお願いします」と院長に頭を下げた。
動物眼科を専門に長年様々なケースに向き合ってきた院長でも、今回のじじのケースは初めてだという。
医療ミスでなく、じじの目が特殊だったのだった。
それはよくわかったけれど、それでも頭の中がきちんと整理されるにはもう少し時間が
必要だった。