「副甲状腺機能亢進症」。

初めて聞く病名だった。

副甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気で、様々な症状を引き起こすんだとか。

手術は必要だけれど、そんなに心配することはないとのことだった。

手術をできる先生がそこの病院にはいないということで紹介状を書いてもらい、また新たな

病院でお世話になることになった。

紹介してもらった先生は、乳腺外科・甲状腺外科を専門としている女医さんだった。

母は乳がんのことも相談できるこの先生のことがあっという間に好きになったようだった。

女性同士というのは、安心感を与えてくれる大きなひとつの要素でもあるのかな。

 

手術は無事に終わった。

「心配かけたくないから」と、今回は叔父夫婦にも言わないよう母に言われていたので、

母と2人ひっそりと病院生活を送った。

この時私は初めて「ひとり」ということを実感した。

弟が生きていたとして。

弟が忙しければ、母の手術に立ち会えないことも、お見舞いに来れないこともあり、

そういうことはどうでもよかった。

ただ何かの判断が必要な時「これでいいよね?」と相談できる弟が、「ママの手術始まったよ」と連絡できる弟が、私にはもういなかった。