~沢山のハンデを乗り越え17歳5か月の犬生を全うしてくれたじじへ、心からの愛をこめて~
 
 
 
「ティアナちゃん、ちょっと来て!!!」
入浴中の母に呼ばれた。
「なぁに~???」と、気のない返事をしながらお風呂場へ行くと、
「ココ読んでみて!!!」と少し濡れたタウン情報誌を母から渡された。
 
ビックリするぐらい小さな記事。
そこには
「1歳8か月、片目のパグ男の子。諸事情により里親求む」
とあった。
「片目???」
片目ってすごいハンデ。これはもうウチのコに・・・
どういうわけか、記事を目にした瞬間全身に電流が流れた感じがした。
気が付いた時には、そこに載っていた電話番号へ電話をかけている私がいた。
何度か呼び出し音が鳴り、その後留守番電話へと切り替わった。
留守電に名前と連絡先を残し、受話器を置いた。
 
留守電だったことでふと我に返った。
記事を目にした時から、勝手に「運命の出会い」を果たしてしまった私だったけれど、
ひとまず留守電でよかったと思う。
冷静になる必要があったから。
「命」だもの。
衝動的な思いだけでは許されない。
小さな命が尽きる最期の最期まで、きちんと看取る覚悟と責任。
短い時間で、色々なことを自問自答しまくった。
母とも意思確認をした。
もちろん2人とも『YES!!!』。
しばらくすると電話が鳴った。
 
電話口の飼い主さんは、ペットショップに勤務する優しそうな若い女性だった。
ペットショップの事故で片目を失ってしまったパグちゃん。
そのパグちゃんを女性が引き取り育ててきた。
そんな中、どうしても引っ越しせざるを得ない状況となった。
パグちゃんを一時的に預かってくれる人を探そうと考えていたけれど、相談したお姉さんから、
「動物が好きな人は抱っこした瞬間から愛情が湧くもの。
一時預かりというのは、ちょっと都合が良すぎる気がする・・・」と言われ、考え直し、
「ならば生涯の家族としてこの子を迎えてくれる人を探そう」と里親募集を決心した、
とのことだった。
私は「過去に1匹、現在2匹のパグと暮らしています。パグが大好きなのです♡
ぜひパグちゃんをお迎えしたいです!!!」と気持ちを告げた。
パグちゃんと我が家のお嬢2匹とのお見合いの日取りを決め、電話を切った。
 
ドッキドキ♡のお見合い当日。
はやる気持ちを必死に抑え、長女ひめ次女ちびと母と待ち合わせの公園へと出発した。
誰とでも仲良くなれるちびに対しての心配は皆無。
問題は・・・ひめ。
怖がりで不器用で。
そんなひめを、蝶よ花よと育ててきた。
ひめは正真正銘温室育ちのお嬢様だった、と思う。
ちびという妹ができるまでの2年間は。笑
初めてちびがウチに来た時のひめのことはよ~く覚えてる。
自分よりも小さな小さなちびにビビリまくって、別の部屋へと逃げ込んだ。
初めて見るちいちゃな怪獣が怖かったのかな???
ごはんが食べられなくなってしまって・・・
あっという間に仲良しになってくれたけど、あの時のひめさんはちょっと大変でした。
そんな経緯を持つ彼女がパグちゃんにどういう反応を示すのか。
それだけが気がかりだった。
 
待ち合わせの公園へ到着した。
もうそこへは、それらしき女性とパグちゃんが私たちを待っていた。
「こんにちは~!!!」。
ご対面の瞬間だった。
ひめは???ひめはどんな感じ???
ひめは・・・自分からパグちゃんに近づき、パグちゃんのお尻のにおいをクンクン。
「あなた今日から私の弟ね♡」とでも言っているかのようなひめに、
ビックリしたし感激もした。
犬同士の相性に問題はなさそうだった。
お姉さんによれば、パグに慣れている私たちにお願いしたい気持ちが強いけれど、
ウチの他にも飼い主候補が何家族かあるそうで「もう少し時間をください」とのことだった。
 
 
あの記事を目にした瞬間から、寝ても覚めても「片目のパグちゃん」だったけれど。
実際彼に会ったことで私の想いは更に熱烈さを増していった。
「よそのコになっちゃったらどうしよう・・・」。
そんな不安も多少あったとは思う。
でもその時の私には「あのコはウチに来てくれる」「あのコは絶対ウチのコになる!」という、
根拠のない絶対的な自信があった。
 
『あの子は絶対ウチのコになる!!!』。
 
確信は真実となった。
 
 
 
 
 
 
 
          
                           ↑
               ボケボケだけれど、当時のひめとちび♡♡