Facebookでお知らせし、弟の仲良しくんに連絡し、そこからは彼の携帯が休まるときは
なかった。
それに加え、自宅の電話も時々鳴るようになった。
電話の呼び出し音が鳴る度に、ドキッとする。
まさに地獄の始まりだった。
「Facebook見たんですけどウソでしょ???」「アイツ何やってんの?」「ふざけんな…」。
言葉が見つからなかった。
「こんなことになっちゃってごめんなさい」そんな気持ちだった。
もぅ逃げ出したかった。
訃報を受けた弟の高校時代の彼女から私に電話がかかってきた。
まさか彼女とこんな形で再会することになるとは。
約20年ぶりだったけれど、挨拶もしたかしないかすぐさま彼女は「なんで…」と泣き崩れた。
どういう訳か、弟が高校生の頃は彼女を含めた弟の友人たちとよく一緒に遊んだ。
「お姉ちゃんお姉ちゃん」と私のことを慕ってくれる彼女がとてもかわいくて、まだ若い2人
だったけど、将来彼女が義妹になってくれることを私は密かに願っていたりした。
だから、卒業後2人が別れてしまったことがとてもショックだったし、彼女が結婚したという
ニュースを耳にしたときは、なんとも言えない寂しさがあった。
生前弟から、彼女のことを少し聞いたことがある。
何年か前に同窓会で再会したこと。
離婚してシングルマザーになったこと。
子供を連れて弟のお店へ遊びに来てくれたこと。
私と話していくうちに、少しずつ彼女に冷静さが戻っていくようだった。
弟には、学生時代に出会った特別な3兄弟がいた。
詳細はわからないが、3兄弟のパパさんにもママさんにも「息子がひとり増えた」と言われる
ぐらいとてもお世話になっていたようで、本人は自分でよく「4番目の息子」だと言っていた。
弟にとって自慢の家族であり、事あるごとにいつも決まってこの家族のことを誇らしげに
語っていた。
葬儀に際し、数人のお友達へ弔辞をお願いすることになる。
この3兄弟のどなたかにお願いすることは、私には当然のことのように思えた。
連絡がついた次男さんに、弟の死と、3兄弟どなたかに弔辞をお願いしたい旨告げた。
後日、次男さんから「弔辞は代表で長男が」という連絡をいただいたが、私からも一度直接
挨拶しておくべきだと思い、長男さんへ連絡をした。
すると長男さんは、消え入りそうな声で「ショックが大き過ぎて、とてもとてもみなさんの前で
話をできる状態ではない。申し訳ないけど弔辞はお断りしたい」と私に言った。
弔辞をお願いしていた別の人たちは何も言わず引き受けてくれたので、まさか断られる
なんて夢にも思わず、正直少々驚いてしまった。
でも、「仲良しだから」という理由だけで弔辞をお願いしてしまった私には、もしかしたら相手
への配慮が欠けていたのかもしれない。
「親しすぎて近すぎてできない」って、きっとあると思うから。
この弔辞に関する一件は、色々と考えさせられる印象的な出来事だった。