7月3日から新紙幣が発行されますが、一万円札の新たな顔が渋沢栄一です。


NHK大河ドラマで放送されてようやく知られるようになりましたが、大きな業績を残したにも関わらずこれまではあまり有名ではなく、あれだけ多くの企業を興しながら財閥を形成することもなかったのは不思議です。


まず素晴らしいのは行動力とエネルギーです。鉄道、郵便制度、銀行、証券、保険、大学、福祉施設などあらゆる分野で日本で初めての組織を作り、インフラを整えて行きました。彼なしでは日本の近代化はこれほど早く成し遂げられなかったのではないでしょうか?留学で見た欧米の優れたシステムに感銘を受けるとすぐに日本でも作ろうとした行動の速さに目を見張ります。


それでいて自分の利益を優先することなく、財閥の主になることはありませんでした。「論語と算盤」を実践されていたのだと思います。倫理的な清廉さと企業の利益をあげることを両立し、国の経済発展のために自ら率先して働き、私腹を肥やすことを否定する姿勢は見事です。


努力を惜しまず駆け抜けた人。一万円札の顔に相応しい近代日本の先駆者だと思います。