塾の生徒さんと一緒に今月から源氏物語を読んでいます。テキストはこちらを使っています。


 

 文庫本サイズながら、原文も各巻から重要な部分が抜粋され、意訳がついていて、この当時の考え方や用語の解説もあり、とても面白い本です。ビギナーズクラシックスのシリーズは中国古典もあり、どれも楽しくてお勧めです。


源氏物語なんて古くさいと思っている方はまずはこの本から始めてみたら、あまりにも現代と通じる内容に驚くはずです。主人公光源氏は、自分の魅力を武器にさまざまな女性を意のままに操り、ひどいプレイボーイではありますが、どこか憎めません。幼い頃に母を亡くした喪失感が女性遍歴の始まりとなり、どんなに愛されても満たされない孤独感が見えるからでしょうか?


女性もいろいろな立場や性格の人がいて、光源氏に惹かれながらも拒絶する空蝉のような人、地方貴族の娘でもプライドを捨てない明石の君など、それぞれに個性的で面白いです。


全文の現代語訳は、与謝野晶子、谷崎潤一郎、瀬戸内寂聴版がありますが、私は瀬戸内さんのを読みました。また他の人の訳を読んだら違った魅力があるはずです。


名作はいつの時代でも新鮮だから古典になっているのですね。日本人なら一生に一度は読まないともったいないです。ぜひ。