20歳頃の思い出です。


なぜかは忘れましたが、大学2年の私は、当時の彼氏と駅前から下宿まで歩いて帰ったことがありました。夜7時頃、駅から鴨川を渡り、ずっと歩き続けました。


1時間も経つとさすがに疲れ、12月で寒さも身に沁みて、鼻水が出てきました。かっこ悪い姿を彼に見られたくなくて鼻をかもうとしたら手が伸びてきて、彼が指先で鼻を拭いてくれました。恥ずかしくて黙って歩き続けました。


寒くてお腹も空いて、もう少し歩いたところで古い店構えのうどん屋さんに入り、鍋焼きうどんを頼みました。その時のおいしさが忘れられません。大ぶりのヒビが入ったような土鍋の中で野菜とうどんがぐつぐつ音を立て、木の鍋敷きに載っていて、真ん中の卵がちょうど半熟でした。


その時の人とは縁がなくてお別れしましたが、今もお元気なら嬉しいです。懐かしい忘れられない夜です。