叔母の経営するホテルで働き始めた最初の2ヶ月は、スキーシーズンでもあり、毎日ほぼ満室であった。

2か月も経つと、仕事も要領を得て、丁寧かつ迅速に対応できる様になっていた。

忙しさに忙殺される中、気になる事があった。


何故この部屋に入る人は、いつも酒癖が悪いのだろう⁇


ベテランフロント係が、初対面で酒飲みを見抜いてこの部屋に入れてるのか?

酒に強い国の人ばかり、この部屋に入れるのか?


とにかく毎日お客様は入れ替わっているのに、必ず、
ゴミ箱にはビールの空き缶の山

卓上にはウィスキーやリキュールの空ビン 

ベッドサイドには溢れた酒やワインのベトベト🍷



何故⁇⁇

毎回わざとやってんのか?
イジメか?




ある日、いつも通り?汚れまくって清掃に時間のかかる231号室を掃除していた。
外は雪のせいか、いつも以上に静かである。

ササッ!

気のせいか。


ササササッ🏃‍♂️

!?

しばしの睨み合い



部屋中をササッとは言えないノロマさで隠れるヤツがいる。

小さいおじさん系?
あ、それなら会った事あるし、怖くないし、何より忙しいから、見ないフリを決め込もう!

ササササッ🏃‍♂️
ササササッ🏃‍♂️



あ、見て欲しい系か?
じゃ、尚更無視!



やがて動きが大人しくなり、クローゼットに入る小さいおじさん。


先にクローゼットを掃除しときゃ良かった!


仕方ないので、クローゼットを開けて掃除。

すると!


バッカス!
いや、正確には酒の神バッカスでは無い。でも彼はバッカスだと言う。

なるほど納得!
231号室には
酒の神バッカスが住んでいたのね🍺🍶🍸🍾


それからは、掃除に行くたびにに、赤ら顔で恥ずかしそうに盃をあげてくれるニヤリ