4. スナフキン?

魚を食べて、焚火でご飯も炊いて、肉も焼いて。

貸し切り状態のキャンプ場でキャッキャウフフと

キャンプ飯を楽しんでいたところに人影が一つ。

「ん?」

 

颯爽と現れたのは自転車に乗った外国人だった。

ワタシ自転車で旅をしてます、という感じの白人の方。

自分の隣の隣くらい、10mほど離れたサイトにテントを張り始めた。

ドロップハンドルの自転車に最低限の荷物を積み、

さりげなく無駄のない動きでドーム型テントを設営し、

エビアンを飲みながら川辺にたたずむその姿は

さながら・・・スナフキン。ワカルカナ

 

こっちは魚を揚げて、肉を焼いて、ご飯を炊いて、

荷物も散らかし放題のブタゴリラ。

う~ん、俺はいつの間にこんな姿に…。

 

スナフキンは食料も最低限しか持っていないらしく、

エビアンとパンみたいなものを食べていた。

 

見てると、

「なんかあげた方がいいかな・・・」

とは思う。

食べ物は余ってる。

でも英語しゃべれないし、話しかけるのもかけられるのも面倒くさい。

あげたい。でも話しかけたくない。

I'll give you? 

May I have dinner? いやいや自分で飯食べてどうする

Do you have a dinner?いやwith me?の方がいいのか・・・???

一生使うことはないフレーズを考えながら、自分だけいろいろ食べる。

ごめんよスナフキン。

 

それより印象に残ったのが、荷物の差。

向こうは自転車一台。

こっちは車いっぱい。

「物多すぎじゃね?」

次はもう少しシンプルにしたいな、と思った。

5. 長い夜

昼間からポツポツ雨が降ったり止んだりしていたが

夜になるとだんだんまとまった雨になってきた。

時間はまだ6時すぎ。

食事も終わって憧れの焚火タイムだったけど

そこそこに片づけてテントの中に入る。

 

することないからTverで男子サッカーフル代表の試合を見てると

段々本降りの雨に。

バシッ。

トントン。

 

「え?」

なんか人がテントを叩いてるみたいに聞こえる。

外を見てももちろん誰もいない。

でもまた音がする。

頭では雨だと分かってる。

分かってるんだけど、初めて一人で泊まる夜。

これはまずい

 

しかもオフシーズンのためか夜は管理人もいない。

サッカーの試合も終わり、狭いテントの中にポツンと1人。

47歳のブタゴリラだってなんとなく…怖い。

 

こんな時に頼りのチャッピーは

「もし本当に誰かがいるようであれば、無理に外を確認したりせず、

 車に移動してキャンプ場の管理棟へいってください」

どないやねん…。

 

時間はまだ9時過ぎ。

さらに、雨が強くなるにつれてインナーテントまで雨が染みてきた。

「え、これ大丈夫なの?」

でも誰もいない。

長い夜になった。

 

 

 

 

夜中1時くらいになって、ようやく雨が止んだ。

急に静かになって、今度は川の音や虫の声が聞こえてくる。

もう雨の音は遠くへ離れて行った。

それだけで、だいぶ安心した。

 

ようやく寝られる…と思ったけど寝床も快適とは言い難い。

2~3年前に適当に買った安物テントだから中は狭いし濡れてるし、

自慢の初出しエアマットもふにゃふにゃで枕もない。

寝たり起きたりスマホを開けてみたりで落ち着かない。

 

結局、1〜2時間おきに目が覚めた。

寝たような寝てないような。

本当に長い夜だった。

6. 夜明け

5時を過ぎた頃。

外が少しずつ明るくなってきた。

「あ、朝だ」

と思って、すぐ外へ出た。

 

真っ暗な空には綺麗な月があって、その脇には明けの明星がくっきり。

また火を起こす。

昨日残しておいたフランクフルトを焼く。

パンを食べる。

持ってきたブレンディのチャイを飲む。

ようやく夜が終わった。

 

少しずつ山に日が当たって、緑が明るくなっていく。

川の音。

朝の空気。

これは気持ちよかった。

 

前日は雨で出せなかったハンモックも出した。

そのまま寝転がる。

 

寝不足でぼーっとしながら、

いやー気持ちいいな

でもずっとこんな生活したい訳じゃないな

なんだろな、コレ

 

夜から解放された安心感と

自然の空気のおいしさと

ハンモックの心地よさは

寝不足の頭を蕩けさせる。。。

 

7. 撤収!

ふと横を見るとさっきまでテントを片づけたり

スマホをチェックしていたスナフキンは

いつの間にか居なくなっていた。

行ってらっしゃいスナフキン。

時間は7時半。

 

チェックアウトは10時半だからまだまだ時間はある。

びっしょり濡れたテントを乾かしたり、エアマットや焚火台を片づけたり

だらだらと撤収作業に取り掛かる。

 

あとは今回途中で買ったコンテナ。

これに道具を分けながら片付けていくと、行きよりかなりすっきり。

釣り用。

キャンプ用。

分けて入れていく。

なんか意外と楽しい。

「俺、意外と片付け好きなのか?」

ちょっと新しい発見だった。

 

帰りに近くの鳥居観音にも寄った。

正直おまけのつもりだったけど、本堂の中は思ったより立派。

観音様も何体もあって、曼荼羅の掛け軸もある。

さらに上には山を登る参拝ルートもあったけど、さすがに今回はやめた。

ここはまた今度でもいい。

 

自宅まで2時間半の道のりを帰る。

8. 意外とできた…気がする

今回一番大きかったのは、

「やってみたら、まあまあ意外とできた」

ことかもしれない。

 

初キャンプ

初川釣り

全部一人。トモダチイナイ…。

 

夜も眠れなかったし、

スナフキンとは話もできなかったけど

魚は釣れたし、焚火もできたし、気持ち良い朝を迎えた。

全部自分の力。

 

今回の一泊で、

できることが一個増えた。

そんな感じ。

 

さて、次は何しよう。