著者: 村上 春樹
タイトル: 羊をめぐる冒険

村上春樹の初期3部作の一つ。

それまでの2作と比べると、ミステリー風かつ長編作品。

前半は、僕の離婚や目立たなかった彼女の死亡のことや耳専門の広告モデルの彼女の話など、以前の作品の続編を思わせる展開。

ところが、一変する。

右翼の大物”先生”の秘書が登場し、なんだか戦後の暗黒の世界を探るミステリータッチとなる。

これはこれで面白い。

そして、キイワードは、”羊”だ。

そこから、羊をめぐる冒険が始まる。

 

そして、そこには鼠の影が見え隠れする。鼠は、僕にどうしてあの写真を送り、僕にジェイや鼠の彼女に会いに行くように頼んだのだろうか。

 

羊をめぐる冒険は、様々な個性を持った人を巻き込みながら、解決されていく。そこには、その解決が終わりではなく、始まりであることを予感させ、僕の新しい出発がある。

すべてを失う僕にとっての人生とは、やはり青春時代を過ごした鼠と僕の友情を交換したジェイの店から始める必要があるのだろうか。すべての人が、青春をよき思い出と出来ないまでも・・・