
著者: 高樹 のぶ子
タイトル: 百年の預言 (上巻)
ルーマニアに革命の兆しが徐々に芽生えていた1986年6月のウィーン。
外交官の真賀木奏とバイオリニスト走馬充子は偶然の出会い。
真賀木は、妻を失い、生きる勇気を見失いつつあった。
走馬充子は、少女時代から母子でヴァイオリンに情熱を燃やし、今や一流のヴァイオリニストであり、公私共に情熱的な女性であった。
この2人が出会い、愛し合い、求め合い、そして別離、再会。
二人の巡って、ルーマニアから亡命者との出会い。
彼らがたらされた謎の楽譜が二人を歴史的動乱の渦に巻き込んでいく。
上巻は、大胆な性描写や楽譜の謎解き。
下巻は、ルーマニア革命に翻弄される二人の生き様。
去年ウィーンに旅行して以来、ウィーンを舞台にした小説には、思わず目がいく。
上巻は、ウィーンの情景を思い浮かべながら、読み進めた。
上巻に比べて、下巻は読むスペードが落ちた。楽譜の謎解きとその後の真賀木の生き方は、あれでよかったのだろうか。
余談ではあるが、バイオリニスト走馬充子のモデルとなった天満敦子さんの「望郷のバラード」はぜひ一度聞いてみたい気がした。