著者: 池内 紀
タイトル: となりのカフカ

カフカというと、「変身」や「審判」などの小説を書いた人であるくらいしか知らない。「変身」という小説は、それにしても、悪い夢を見たような小説だ。朝、起きたら、自分自身が変な虫になっていて、家族から邪魔者扱いされるわけだ。この小説を最初に読んだ時は、なんだか眠ることが怖くなったような記憶がある。それくらいリアルな小説だった。
この「となりのカフカ」という本は、その作者のカフカの生い立ちについて、簡単にまとめてくれている。一体どうしてあんな小説を書いたのか。

実際のカフカの一生は、プラハに生まれたユダヤ人であった。仕事は、保険協会に勤めるサラリーマンであった。私生活では、2度の婚約をしたがいずれも解消し、生涯独身であった。そして、41歳の若さで結核で死んだ。

本の構成は、全部で12章に分かれている。1日に1章読めば、12日で読み終える。ある小説家の一生を12日で味わえる大変お得な本ではなかろうか。