ようこちゃんとは高1と高3の時に同じクラスだったけれど、
当時の私たちの関係は客観的に言って「クラスメート」以上のものではなかったと思います。
客観的に、言えばね。
ようこちゃんとは特に仲が良いわけではなかったけれど、
私はようこちゃんの出演する演劇部の公演をちょくちょく観に行っていました。
初めて舞台の上のようこちゃんを見た時に、私の目はようこちゃんに釘付けになりました。
それはようこちゃんが「同じクラスの女の子」だったからではありません。「同じクラスの女の子」なら、他にも何人かいました。
気がつくと私は舞台の上のようこちゃんばかりを目で追いかけて、舞台の中央で別の役者さんが大事なセリフをしゃべっている時でも、舞台の端にいるようこちゃんだけを見ていました。
ようこちゃんのセリフはもちろん、その表情に、動きに、存在感に、気づけば夢中になっていました。
端的に言えば、ようこちゃんのお芝居のファンになったのです。
ある日の演劇部の公演のあとで、私はようこちゃんにその気持ちを伝えました。「ようこちゃんの演技すごく良かったよ」というようなシンプルなことを、たぶん言ったのだと思います。
ようこちゃんはとても喜んでくれました。
でもだからと言って、客観的に私達が「クラスメート」以上の特別親しい関係を築くことはなくて、
そのまま春を迎え、ようこちゃんは東京の大学に、私は神奈川の大学に進学しました。
会おうと思えばいつでも会える距離にいたけれど、卒業後会うこともなければ、連絡を取り合うこともありませんでした。
けれど大学2年の秋、
ある日突然、ようこちゃんからメールが届きました。
大学生になってからも演劇を続けていたようこちゃんからの、舞台に出るから観に来てもらいたい、という旨のメールでした。
ただの宣伝活動ではありません。
その時ようこちゃんからもらった誘い文句を、私は一生忘れません。
ようこちゃんからすごいこと言われたんだよ私
いいだろー
その時から大学を卒業するまでの間に何度か、私はようこちゃんの出演する舞台を観に行きました。
その間プライベートで遊んだのは2度程だったと思います。
ようこちゃんと2人でごはんに行ったり、お茶をしたり、高○馬場のカフェで美味しいティラミスを食べたり、ようこちゃんのおうちにお泊まりしたり、
何かと遊ぶようになったのは、私が就職してからのことです。
だから私たちは、まだ数えるくらいしか2人で遊んだことはないのです。
でも、不思議なんです。
こうして正確に思い出して文章にしてみると、ようこちゃんと私が仲良くなった経緯は特殊なもののように思えるのに、
ようこちゃんと遊んでいる時、私は舞台の上のようこちゃんを思い出すことはなくて、
なぜかようこちゃんと、高校生の頃も毎日のように一緒にお茶したり、ごはんに行ったり、並んで帰ったりしていたような感覚になるのです。
そんなこと、高校生の頃は一度もしたことなかったのに
ようこちゃんとは、当時からずっと仲良しだったような気がするのです
半年ぶりに会ったり、一年ぶりに会ったり、一年半ぶりに会ったりしても
もっと頻繁に、しょっちゅう一緒に遊んでるような気分で「よっ
」となります。
なんでだろね。
それはそれとして、
いつかまた、ようこちゃんの舞台が観たいな。
まゆより