お元気でいらっしゃいますか。



大人になると

時候の挨拶というものが

あることを知るけど


子供の頃は

そんなちょうどいい

言い回しの挨拶があるなど

全然知らないので



祖母のお葬式で

手紙を書いて皆の前で発表するようにと

従兄弟たちがババ抜きで遊ぶ中

1人で机に向かわされたことがあった



亡くなってしまったのに

なんで手紙を書かなきゃいけないんだろう

ってずっと思ってて



おばあちゃん、お元気ですか?


って死んでるし!


ってずっと手紙の出だしが分からず

一人ツッコミを繰り返してたら

父が痺れを切らして私の代わりに

全て書いてくれたことがあった




おばあちゃん、そちらはお花は咲いていますか?


とりのさえずりは聞こえますか?




で始まる小2バージョンの父渾身の手紙に

ハッとさせられて今でもずっと覚えている

いい思い出です




保育園の時から

節目にくれていた祖父からの手紙は

歳を取るごとに

文字が震えて弱々しくなり



温かい手紙に

今の力と心を込めているのが

時を経ても

ずっとそこに居るかのように

伝わってくる




手紙は


書くことで



今の相手や自分を区切りとして

動かしていく力がある




未来への自分に手紙を書けば

希望を呼び起こし

後に祝福と労いをくれる

微笑ましい感謝状になる




日本人は古くから

古文書として

古人の筆跡に対して

敬意を払い

書を長く保存し続けてきた



文脈や

文字の崩し

紙の選び方などなど

あらゆる要素が

一体となって



その人個人の

魂として存在する




手紙、かなと思う