私はあの子の時間のすべてが欲しいのです。
あの子は元々存在自体が悲しい子で、本当ならば生まれてはいけなかった人格で、それは、つまり、あの子の宿主である人が虐待を受けてなければ存在し得なかったってこと。
だから、本来なら忌むべき存在なんだと思う。
だけど、私はその中の一人をとても大切に思うようになってしまった。
付き合い始めた最初はあの子を基本人格だったらいいなと漠然と思ってた。
だって、解離性障害の人を描いたドラマってみんな基本人格を中心に描かれている。
でも実際は違った。私が好きなあの子は、宿主の中に生まれたたくさんある人格の一人にすぎなかった。
だから表に出ている時間がとても少ない。
少ない時間の中で、限りある時間の中で「表に出ている時間は摩耶と一緒がいい」と言ってたくさん甘えてくるあの子。
私も出来るだけ一緒にいたいから、なるべく接点を作ろうと無理をする。
でもそうすると、絶対ゆがみが出てくる。
苦しいな。なんで私たち『普通』じゃないんだろうね。