
良く晴れた日曜の朝で、 裏庭には春の日差しがたっぷりと降り注ぎ、 ハマナスやチャイナローズに
楽しそうにミツバチが蜜を求めてやって来る。
水遣りを終えた庭には、 ガガンボや陽炎など、 様々な虫たちがどんどん集まっていた。
長かった冬の後、 すべての生き物が、 イキイキしているように見えた。
そこへ登場したのは青黒トカゲ・・・・。
お、 久しぶり・・・!
滑らかな黒光りするしなやかBODYは相変わらず美しい。
昔はもっとスリムだったのに、 なんだか一回り太ったかしら?
彼なのか、 彼女なのか、 それすらわからないけれど、 もしかしたら卵を産む前で太ったの?
それでも動きは流石に素早く、 すぐ目の前の日の当る壁伝いに居たかと思えば、 あっと言う間に移動して、 ずっと向こうの鉢の横に、 瞬時に動いて獲物を狙う。
でもその日は、 ずっと奥の方の壁を伝っていたトカゲが、 まさか私が動かそうとした鉢の下に、 あっと言う間に潜り込んだなんて、 まったく気づかないでいた・・・・。
大きな鉢を動かして、 あっと思った時には遅かった。。。
トカゲは太目の胴体をくねらせ、 苦しそうにのたうっている。。。
見るとお腹の横から少し内臓らしきものが・・・・!
ごめんね、 本当にごめんね・・・、 気づかなかったよ!!!
トカゲは自ら尾っぽを切り離し、 なんとか必死で逃走を試みる。。。
しかし腹を見せて力無くもがくばかりで、 とても起き上がれそうに無い。
私は皮膚が乾いてしまわないように、 少しでも日陰に移してやろうと、 思い切って手に取った。
気持ち悪いとか、 なんかそんな事思ってる場合じゃなかった。
そして掌に取った次の瞬間、 トカゲはス~っと、 まるで眠るように逝ってしまった。
本当に一瞬に、 目も口も安らかに閉じられ、 平和な表情に変った。
気高ささえ感じられた。
逝くときを悟ったよ、 今は何もかもを許す、 さようなら・・・・。
たかがトカゲ、 虫けらの同類・・・・・・。
でも、 そのトカゲが、 死の瞬間、 あんなに気高く美しい表情をするなんて・・・。
虫だろうが、 人だろうが、 犬だろうが、 ネコだろうが、
命の重さに変わりは無い。
人は簡単に命を奪う。
でも 奪った命を元に戻せる者など 何処にも居ない。
生物の頂点に立っていると、 いくら偉そうなことを言ってみても、 一度踏み潰した虫けらを再び蘇らせることの出来る神のような人間など、 どこにも居ないのだ・・・・。
そして自ら踏み潰した虫けらと 自分も同類であることに誰も気づいてもない。
って、 真剣にそんなこと考えて誤魔化したって、 トカゲは戻ってこない・・・・。
裏庭の虫達の饗宴を目にするたびに、 いまだにとても申し訳ない気持ちでいっぱいの飼い主なのだ~~~~~
今、 トカゲは、 彼(彼女?)が最後に獲物を狙ったと思われる 薔薇の根元に眠っている。。。
トカゲ、 許しておくれ! そして安らかに、、、
生まれ変わったら、、、 又どこかで会おう・・・・!