2021年2月11日(木)建国記念日

 

建国記念日なので、デイサービスがない。

 

さて、1日をどう過ごすか。

 

娘は1日お休みで、久しぶりに幼馴染と会うという。

 

私は、母のところに何時に行ってもよいという状況。

 

さて、どんなスケジュールで行きましょうかね・・・と前日に考えていると、お弁当の神様から、明日、お昼を食べに来ませんか?と連絡が入った。

 

ありがたや。

 

毎日お弁当を作って届けてくれているのに祝日まで私たちの食事の心配をしてくださる。

 

ありがたや。

 

わーい!じゃあ二人で行きまーす!と参上することとなった。

 

 

母の家にお昼前に着き、脳トレルーティーンをこなした。

 

母は、「これから、出かけるの?今日は何日?」をエンドレスに繰り返す。

 

真面目に答えても、腹が立つので、「ディズニーランド作戦」で答えたが、今日は、

 

「ディズニーランドは行かへん。遠いもん」と答えた。

 

これをエンドレスで繰り返した。

 

約束の時間になり、母と神様宅に向かった。車で10分ほど。

 

私の自宅と神様の自宅の中間に母の家がある位置関係。

 

母は珍しく車に乗り込んで黙っていた。

 

神様宅に近づいた時、

 

「あ?ここ、○○さんの家やな?」とまともなことを言った。

 

「あんたの家に行くと思ってたら、どうも、道が違うなと思っててん」と。

 

だから、黙ってたのかと、静かな理由が分かった。

 

 

神様宅の庭先にはテーブルとベンチがあり、そちらでランチをということだった。

 

風もなく、冬の陽ざしは温かく、帽子が必要なほどだった。

 

あ~~なんて幸せな時間。

 

甘栗を使った栗ご飯を頂きながら、母は、

 

「これだけでいいなぁ」とお茶碗を手にして言った。

 

私も、同感だった。

 

どれも、これも美味しく、大満足。

 

「〇〇さん、お店、しはったらいいのになぁ」と母。

 

同感である。

 

食事が終わると

 

「ここは、どこやった?(地域名が気になる)」→説明する。

がエンドレスで始まる。

 

何か口にしていないと、質問タイムが始まるのだ。

 

うまい具合に、食後の甘味登場。

 

母の質問が止まる。

 

甘味が終わる。質問再開。

 

コーヒーが出てきて、質問中断。

 

母のエンドレス質問もこの時は苦にならず。

 

だって、ここは天国ですもの。

 

 

お礼に、バイオリンを奏でる。

 

覚えたばかりの『オーラ・リー』

 

なぜかこの曲がとても気に入っている私。

 

お礼になっているか、怪しいレベルだが(笑)

 

母もにこにこしている。

 

私が何かしていると質問はしない。

 

ずっとバイオリンを奏でるか、歌を歌うかするか?

 

お腹も心も満たされ、2時間ほど滞在した天国を後にした。

 

車中、

母は、「今、○○さんのところに行ってたんやなぁ。あそこは△△やった?(地域名)」と言い始めていたが、母の家に着く10分ほどの間に、

「今、どこに行ったんやった?」にかわってしまった。

 

そうなるんやなぁ・・・

長い時間、行ってたのになぁ・・・

忘れるのは一瞬やなぁ・・・・

 

マンションの入り口で母と別れ、自宅に向かった。

 

ここから、晩御飯までの時間が、怪しい時間なのだが、そこまで一緒に居れないのだよなぁ。申し訳ないけど。

 

と、思いながら、自宅に着く。

 

スマホが鳴った。

 

駐車場に車を停めて、電話を取る。

 

母からだ。

 

いつも時間がたってかけなおしても、なぜかけたのかを覚えていないので、かけなおす必要がないのだが、今切れたところなので、かけなおしてみた。

 

これが、いけなかった。

 

「あ~今、あんたと、どこか行ってたん?で、送ってくれたんか?」という。

 

「○○さんのところでご飯たべたやん」と、当たり前に答えてしまった。

 

「へぇ~〇〇さんのところ?もう、なんにも覚えてないわ」と、明るい声でいう。

 

「それを、私になんで、聞いてくるん?どうぜ、覚えてないんやったら、聞かんでええやん」と、まともなことをいう。

 

「どこ行ってたんかなぁって、思うねん。それが分からへんかったら、ずっとどこ行ってたんかなって思うから」と、いうことらしい。

 

「で、どこ行ってたん?」と、また聞いてきた。

 

「今、言うたやん。紙に書いてよ。忘れるんやったら!」

 

私が、感じた幸せの時間を全部無くされたような気分になった。

 

天国の後には地獄が待っているのか。

 

「お母さんが、聞いてきたら、私がすっごく悲しくなるねん。どうせ、忘れるんやから聞かんといて!」と言ってしまった。

 

暖かくて、美味しくて、楽しくて、穏やかな、いい時間だったのに。

 

確かに、そこにあったのに。

 

振れ幅が大きかったからか、電話を切ったら泣けてきた。

 

久しぶりにエンエン泣いた。

 

 

母からの電話には、2度とかけなおさないと誓った。