認知症リハビリ施設ラプレ3回目。2020年10月21日(水)快晴

 

この日も快晴。

いつもは10時~なので、余裕をもって8時過ぎに家を出るが、

この日は13時~だったので、一旦、自宅に母を連れてきた。

朝7時半に、娘を母の自宅の最寄り駅まで送迎するのでいつも、そのまま、母を迎えに行き、朝ごはんを食べてもらって、準備をして、8時過ぎに母の自宅を出るという流れだったが、

この日は、ゆっくりと準備をしても大丈夫。

 

しかし、

「え?どこに行くの?」

「今日は、何曜日やったかな?」

「私どこも、行かへん日やな?」

「介護(デイサービスの意)ない日やな?」

「病院行くの?

「今日は何日やったかな?介護ない?」

 

これをずっと繰り返すのに、耐えねばならない。

 

私は、

「うん。介護ないで。水曜日」

とか、

「これ食べて」

とか

「服はこれを着たらいいから」

とか、

 

そういうのを挟みつつ、

「今、言うた」と突き放してみたり、

「もういいから、これ食べて」と

ちょっと、ムッとしながら対応したり、

「何回も、そうやっておんなじことばかり聞くから、それを治してもらうためにリハビリに行き始めたんやんか」と言ってみたりする時間を過ごす。母の準備を終えて、家を出るのも一苦労である。

 

そしてこの日は、昼からの施術なので、自宅に連れ帰って、

家の用事をしてもらう。

 

食器洗いは、率先して、何も言わないでもしてくれる。

しかし、最近は、綺麗に洗うのができなくなってきている。本人は、綺麗にしているつもりみたいだけれど、なんとなく、

まだ、汚れている箇所がある。

 

次は、掃除機をかけてもらう。

こちらも、最近は掃除機をかけ終わった後、その掃除機をどこに置くのかがわからなくなっている。

変なところで、やめて、その場に置いていたりする。

 

指示をすれば、なんでも機嫌よく引き受けてくれる。

 

それが終われば、庭の草抜き。

いくらでも仕事はある。

母は、仕事は嫌がらず、丁寧にする。

 

一通り、仕事が終わり、ソファーに座ってもらったら、ここからが大変なのだ。

いつものエンドレス質問がスタートすると思われたので、私は大きな紙に太い文字で、

 

今日は10月21日(水)

昼から、

大阪千里山ラプレ

認知症のリハビリに

行きます

 

と書いた。

 

母は、座ってから、何度も私に聞いてくるので、その度に、

「目の前の、紙をみて!」と答えた。

 

「今日は、リハビリに行くねん」と答えるのと、

「目の前の、紙をみて!」というのと、

対して文字数が変わらないのに、私のストレス度合いが違う。

不思議なものである。

 

早めの昼ご飯を食べてもらって、11時過ぎに家を出た。

私の自宅の方が、現地に近いので、15分ほどしか違わないけれど、とても早く到着した気がした。

(自宅からの方が、楽やな・・・)と私の頭にインプットされた。

それに、この日は、自宅で書いた、今日のメモを持たせて、

車に乗り、

「今日は、どこに行くの?」のエンドレス質問がでたら、「メモをみて!」という作戦に出た。

そして、一回聞くごとに、正しいの文字の1画ずつを書いてもらった。

現地に着くまでに、正しいの文字は4つ完成した。

 

13時から、約一時間の施術が行われる。

内容は、卓上での脳のトレーニング30分とベッドに横になって、お腹をマッサージするのが30分。

脳のトレーニングでは、毎日する宿題(簡単な計算問題や迷路やしりとりなど)と同じプリントを使って、より、少し高度(認知症の人にとって)な約束事を入れる。

その約束事を覚えておきながら、問題を解いていくような感じ。

 

例えば、足し算、引き算、掛け算、が混在する30問の問題を普通に解くだけでなく、この一枚は、

【答えをすべて平仮名で書く】とか、

【引き算はすべて足し算にする】など、約束がつけられ、

それを覚えたまま、問題を解いていくようなことをする。

 

また、ところどころに、ラインをひいて、そのラインまで、回答したら、今日の日付を言うなど。

 

母は、2020年は、覚えているが、月日曜日が出てこない。

今、言ったことを、5問、回答したら、もう、言えなくなるのだ。

 

10月を、7月やったかな?といったり、当てずっぽうに答える。

曜日に、至っては、

「え~~と、あんたが、ここにいるということは、土曜か日曜やな。土曜?」と、

いつも、「あんたが、いるということは・・・」と言う。

私が、3月で仕事を辞めたといっても、

毎日、夕方食事を作りに実家に行くと、

「今、仕事の帰りか?」と聞いてくる。

初めの頃は、仕事辞めたって言うてるやんと、正直に答えていたが、最近は、疲れて、

「うん」と答えるようにしてしまっている。

 

この日の、卓上の脳トレでは、10月が1回だけ出てきた。

まぐれに近いが、初めてのこと。

でも、30回中の1回くらいのこと。

 

マッサージでは、毎回、ものすごく痛がる。

内臓が固いと痛いらしい。

「イタイイタイ!!」と先生の手を握る。

先生は、穏やかにかわしながら、施術のチカラは緩めない。

しばらく、痛がるが、だんだんほぐれるらしく、痛がらなくなる。

内臓を酷使する食生活は、内臓を固くし、筋肉が引き連れて腰痛の原因にもなる。

 

マッサージの後は、腰痛がマシになるみたいだ。

 

トータル一時間の施術を終えて、ラプレを出る。

すぐに車に乗り込むことはできない。

施術中にコップ3杯ほど、水分を取ったので、ここから用足し祭りが始まる。

 

阪急千里山駅周辺は、いろんな店があるので、一時間は苦ではない。

おいしい玄米おはぎも買えるし、2個100円のアボカドが売っている八百屋もある。

 

この日も、お決まりのコースを回り、祭りを終え、ラプレ横の我が愛車まで戻るときには、

「あ!あれ、あんたの車やん。今、どこ行ってたん?」が、始まる。

「・・・・。」

 

 

      てきた甲斐を感じられるのは、まだ、程遠い。

 

 

 

【第三回目の成果】

奇跡的に10月がでた

 

 

 

 

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残念なことに、ラプレ日記の第1回目が私のミスで消えました。

1回目の記事をたたき台にして、2回目を書いたのです。

コピーをして書けばよかったものを、

うっかり1回目を編集するという形で

2回目の記事を書いてしまい、

編集されたというわけです。

いわゆる、上書きですね(泣)

 

1回目の内容は、

母が小学生1年生のレベルの宿題をすることになったのを見て、私が小学生の時に、広告の裏の白い面を使って、

算数の漢数字を数字にする問題を、母が

何問か用意してくれたことを思い出したことを書いていました。

 

私は、3人兄弟の長女で、幼いながら、

母が、私のために時間を割いてくれたという記憶が、

この時しかなく、

(実際は、そうではなかったと思うのですが)

この時の私は、

「お母さんが、私のために、こんなことをするなんて、

私よっぽど、頭が悪いんやな」と思ったのです。

 

素直に感謝することができない子どもだったと言えます。

 

 

ラプレで、同じ問題を、今度は、母がしています。

そして、宿題で、それを、今度は、私が母にさせるのです。

今まで、親に対して感謝してこなかったことが、

山ほどある人が、

こういう認知症の親の介護をするということに

なるのではないか?ということを書いたと思います。

たぶん(笑)

タイトルは

「してもらったことを今度はしてあげるのです」的な?(笑

 

 

というわけで、幻の1回目は、幻のまま。

 

今度は第4回目に続きます。