昨日は、母を迎えに行きお昼ご飯を一緒に食べようと思っていた。

母は料理が上手だった。

私の大好物の料理、私の娘も大好物になっていた。

筍、牛肉 人参、青いものを簡単にいうと酒と醤油、みりんで甘辛く味付けしたものをご飯にのっけて食べる。私たち家族の間では、中華五目飯と呼んでいた。なんで、中華?といいながら、そう呼んでいた。

この料理を母に習うのをずっとためらっていたのだが、私が自宅ショップを始める時に、意を決して習った。もう、10年以上前のことだ。

この2年ほどで、母は料理を全くしなくなった。ごはんを炊くのも面倒くさいらしい。

昨夜は、義父が筍をくれたので、この母の中華五目飯を作ってみることにした。適当に、たぶん肉を酒に漬け込んでいいたような気がする・・・。と思い出しながら。料理って、まず食材の切り方が肝心だと、この料理を作って初めて感じたことを思い出す。母は切るのが上手だったと思う。みりんと醤油で味付けし、なんとかできた。

娘に味見をしてもらったら、「うん!同じ匂いがする!」と合格点をいただけた。このご飯を一緒に食べようと、次の日の昼(昨日の昼)母を迎えに行こうと電話を掛けた。

電話はつながらないことが多い、スマホをいろいろと触って、マナーモードにしてしまうのだ。しかし、この時は、掛かった。朝の10時半のこと。

ちょうど今、散歩に出ようとしていたところだから、そっちに向かって歩くわといった。

昔は、よく、歩いてきてくれていた。徒歩40分くらいかかるけど、堤防沿いに歩くルートがあるので、道端に咲く花を摘みながら歩くのが、母は気に入っていた。

途中でわからんようになったら、電話してやといって、電話を切った。

さあ、うちにたどり着くだろうか?

 

12時近くになった。

今まさに、散歩に出ようとしていたといっていたので、すぐに出発したとして、かれこれ1時間半は歩いていることになるよなぁと思った。

電話をかけてみた。

「なに?」

「今、どの辺まで来たん?もうすぐ着くか?」

「今、家にいるで」

「え?散歩がてら、うちに来るっていうたやん」

「そうか?散歩も今日は行ってないわ。今、もう昼やなと思って、なんか食べようと思って、食べてる」

 

今まさに出かけようとしたところで、私が電話をしてしまい、散歩に出ることも、脳内でクリア状態になってしまったのだ。

うちに向かっている途中で、「ここどこや?」とならなくてよかった。

 

母に中華五目飯を食べてもらって採点をしてもらいたかったけど、もしかしたら、そのような料理を作っていたことさえ、もう忘れているかもしれないなぁ。