佐々木恭子は、渡辺渚の対応を任されていた。

 いいと思ってした事が、受け取る側の事情によって、反対に思われることがある。

 退院が延期され、収入に不安を感じていた渡辺渚を、佐々木恭子は、「勤務上テレワーク対応」として、給料を満額支払われるようにしたのだが、渡辺渚は、仕事をしていないのにテレワーク扱いとされ、全額給与が支払われることに違和感を持ってしまった。

 2023 年 10月下旬、渡辺渚は入院中にベッドに横たわる自撮り写真と当時の心情を自身のInstagramにアップした。佐々木恭子は、病状の発信によるマイナスイメージの定着が心配なのでやめた方がよいと言ったが、これに対して、渡辺渚は泣き、「私から社会とのつながりを奪うのか」などと訴えた。主治医に相談したところ、対外発信が渡辺渚の病状に悪影響を与える可能性は低く、むしろプラス面があること が確認された。

 渡辺渚は、2023年 10月からの業務復帰の目途が立たない状況 となったため、同年10月の番組改編にあたり、一旦レギュラーを交代(降板)することとなった。 番組改編発表後に初めて知って渡辺渚がショックを受けることのないよう事前に説明して同意を得る必要があったため、佐々木恭子は、同年9月下旬から10月上旬にかけて複数回にわ たり渡辺渚にオンライン会議又は電話で説明した。渡辺渚は、「私からすべてを奪うのか」 などと激しく泣いて強く訴えた。佐々木恭子は、電話口で泣く渡辺渚の様子 は「慟哭」するようなものだったので、渡辺渚の病状が悪化してしまうのではないかと心底心配した。​​

 渡辺渚の思いは別として、佐々木恭子の対応は、間違ってなかったようだ・・・

 つづく・・・