チーム青森からギブアップを告げる握手を求められた瞬間、大きな目を細め、次にガラス張りの客席に向け、万歳でジャンプした。平均年齢20・25歳の若き女王の誕生。歓喜の輪の中心にいたのは、チーム最年長21歳のサード市川。「大会が早く終わった気がするし、まだ実感が湧かない。優勝したんですねー、みたいな感じ」と目をパチパチさせた。
結成わずか2シーズン目の中部電力だが、市川のルックスで話題は先行していた。ネット上でついたニックネームは、美しさが余ると書く美余(みよ)の名前にちなんで「美しすぎるカーリング選手」。だが、実力は本物だった。前日の決勝進出決定戦では、得意の力強いストーンでダブルテークアウトを連発。LS北見のチャンスをことごとくつぶした。この日もきわどいコースに速いストーンを正確に通し、女王の戦術を狂わせたという。