卒業論文 『自己実現への過程』 39 このように人間は生産的に生き続けることにより、自己の内面に人道主義的良心が形成されていく。権威主義の過程の人達が、外的権威を内面化した権威主義的良心に従って生きていくのに対し、自己実現の過程の人間においては、自己の内面に人道主義的良心が形成されていくのです。それはわれわれ自身の声であり、すべての人間にあるものなのです。そしてその目標は自己自身の存在可能性の実現であり、したがってまた幸福なのです。人道主義的良心の形成には、自己自身に正しくかかわり、絶えず生産的に生き続けることが必要なのです。