彼らは不安や無力の感情を克服したのではなく、それらをおおったにすぎない。彼らの職業上の成功が彼らに自己満足をもたらし、人間存在の本質に眼を向けることを怠らせているのです。
もちろん、彼らといえども、自己自身に深く考えを及ぼしたならば、この事実に気づかないはずはありません。それだからかえって彼らは、このような考えをおおい隠そうとするのです。
ここでことわっておきますが、私は名誉などの権威を否定するものではありません。ただこれらの権威は、人間がよりよく生きた結果として、生産的に生きた結果として得られた時に、はじめて意味をもつものだ、ということを述べておきます。