子どもは徐々に母親やその他のものを、分離した存在と考えるようになっていきます。この過程の原因となるものは、子どもの神経学上の発達、肉体の全般的な発達、また物ごとを把握する能力や物ごとを支配する能力の発達などです。そしてこれらの発達は、子どもの向上心によるところが大きいのです。子どもは自分の行動を通して、自分の外にある世界を経験するようになっていくと共に外界から分離していく。こうして子どもが第一次的絆から自由になってくると、こんどは前個人的存在の時とは別の方法で、みずからに方向を与え、世界のなかに足をおろし、安定を見つけ出さなければならないのです。