ⅰ実存の世界
人間は他の人びととのかかわりのなかにあると同時にまた、ものとのかかわりにおいてある。この二つのかかわりの世界にたとえ次元的な相違があるとしても、それは一人の実存の世界において、この二つ世界が分離しているということではないのです。だから、人間の実存の世界を、たんに他の人との関係としてのみ捉えてしまうことも、またたんにものとのかかわりと規定してしまうことも、ともに一面的であり、抽象的なのです。しかも人間はまた本来的に自己自身へのかかわりにおいてあるとすれば、なおさらです。
ⅰ実存の世界
人間は他の人びととのかかわりのなかにあると同時にまた、ものとのかかわりにおいてある。この二つのかかわりの世界にたとえ次元的な相違があるとしても、それは一人の実存の世界において、この二つ世界が分離しているということではないのです。だから、人間の実存の世界を、たんに他の人との関係としてのみ捉えてしまうことも、またたんにものとのかかわりと規定してしまうことも、ともに一面的であり、抽象的なのです。しかも人間はまた本来的に自己自身へのかかわりにおいてあるとすれば、なおさらです。