私、心理学というもの、あまり知らずに心理学を専攻した。
哲学を科学的にしたものかな、ぐらいに思っていた。
でも、実際、講義を受けると、人間の能力を、部分的に分解して、たとえば、「知覚」とか、「記憶」とか、実験して、データに採ったりする。
私は、不満だった。
もっと、人間の個人全体をトータルに考えた心理学はないものか!と。
パーソナリティというか、そういう感じの心理学がやりたかった。
そうした、不満が頂点に達した、大学3年の後半、『自己実現』という概念を見つけたのだ。
私は、それまでの不満を解消するかのように、『自己実現』に突っ走ったのだった。