大学4年、就職の時期だった。
しかし、この精神状態で、就職など、出来るはずがない。
私は、就職をあきらめ、この精神状態を克服することが先決だと判断した。
この精神状態を克服できなければ、就職どころか、生きることが出来ない、と思ったのだ。
私は、4年で大学を卒業したが、社会科の教職の資格を取るという名目で、とりあえず、自分に2年間の猶予期間を確保した。
教職の単位は、1年で全部取れるが、教育実習は、翌年になるとのことだった。
私には、2年で、この苦悩を克服できるかは、わからなかったが、とにかく、教職の講義を受けながら、主に、ユング心理学そして哲学書を読んだ。
体験は言葉ではない。体験は言葉ではないが、体験した人は、それを言語化しなければならないのだ。
体験したまま、放っておけるほどのやわな体験ではないのだ。