差し戻し控訴審において、弁護団は、被告人には殺意はもとより強姦の故意も窃盗の故意もなく、傷害致死罪が成立するにとどまると主張した。

 しかし、被害者が扼殺されたことは遺体の所見から明らかであり、その行為態様自体から被告人の殺意が認められる。
 人の頸部を素手で絞めて窒息死させる行為は定型的な殺人行為であって、それ自体からして殺意が認定されるべきものである。ましてや本件においては、成人女性である被害者の必死の抵抗を受けながら、5分間あるいはそれ以上の時間継続して頸部を素手で圧迫し続けて窒息死させているのだ。これが被告人の強い殺意に基づく行為であることは明白だ。

 だから、弁護団の主張は、作り話だと判断できる。

 この弁護団は、このままだと、被告人が死刑になってしまうので、最後の大博打に出たと、俺は思っている。