映画「Sin nombre」「闇の列車光の旅」を見て以来、興味を持ち始めたこのマラ・サルバトルチャ。通称MS13。
いつもグアテマラや中米のニュースで話題になっているこのギャング団、名前は聞いたことがあっても、どんな組織なのか知りたくなって、いろいろと調べてみました


このマラのリーダーの俳優さん、すごいカリスマ性がありました
(「闇の列車光の旅」より)
1980年代、エルサルバドルの内戦から逃れ、アメリカに渡ったエルサルバドル難民たちが、他の移民やメキシコ系ギャングから身を守るために、ロサンジェルスで作られたのが、このマラ・サルバトルチャです。
初めは、エルサルバドル人だけだったのですが、徐々に国籍を問わずメンバーに加えて行きました。
その後、アメリカから自国へ強制送還されたメンバーたちが、それぞれの国でメンバーを増やして行きました。
こうして世界に飛び火し、今や世界中に10万人のメンバーがいるとのことです
今現在、アメリカ、エルサルバドルを初め、グアテマラ、メキシコ、ホンジュラス、スペインにまでメンバーがいるそうです。
このマラ・サルバトルチャが恐れられているのは、殺人、密輸、強盗、窃盗、ありとあらゆる悪いことを全てやるというその残忍さからです。
そして、そのタトゥー。
どのギャング団に所属するのかをハッキリわからせるため、体のあちこちにタトゥーをいれます。

ドキュメンタリー「Hijos de la guerra」によると、エルサルバドルのアントニオ・サカ大統領(2004~2009)はこのギャング団に対し、
「Se acabó la fiesta!もうお祭りは終わりだ!」
と宣言し、「super mano dura」という強攻策を打ち出し、対策に乗り出しました。
多くのマラのメンバーが逮捕されるのには、すぐにわかるタトゥーがあるので、それ以後、タトゥーをしないようになってきているそうです。
あるときは、この政府の強攻策に反発した彼らが、バスの乗客20数名を無差別に殺すという事件を起こしました。
エルサルバドル国内でも、このギャング団たちは差別を受けています。
あちこちの中南米の刑務所では彼らを抹殺するためにおこした火事などで、たくさんのメンバーが故意に殺されています。
「hijos de la guerra」公式サイトはこちら
内戦を経験し、仕事もなく、食べるものもない中で、どうやって生きていけばいいのか。。。
自分が犠牲者になるか、加害者になるか、どちらかしか選択がないのなら、やられる方を選ぶ奴なんていない。。。
貧困の中で暮らし、何も持つことができないのに、少しだけ手に入れたものを奪う人たちが憎い。。。
とメンバーが話します。
1980年~1992年の間続いたエルサルバドルの内戦で、7万人の人々が亡くなりました。

このマラ・サルバトルチャの構成員は10代~20代の若者がほとんどで、入るときには、ブリンコと呼ばれる儀式があります。
マラ・サルバトルチャ13の場合は、13秒間、殴る蹴るの暴行を加えます。
他のギャング団、M18でも、18秒間または13秒の暴行を加え、それに耐えた者が、入ることを許可されるそうです。
これはこれから起こりうる暴力にも耐えて行かなくてはならないとのことから、こういう儀式になったんだそうな。。。
映画「闇の列車光の旅」にも、このブリンコのシーンがでてきます。
暴行を加えられてぼろぼろになっても、入団することができて、笑う子の姿は異様でした。

このマラ・サルバトルチャは、若い子がほとんどなのですが、家庭環境の厳しい子が多く入ってくるそうです。
シングルマザー、貧困、家庭内暴力など。。。
そんな家庭環境から逃れるため、このマラ・サルバトルチャに入るのです。
内戦の犠牲者とも言えると思います。
この内戦で普通の家族関係を築くことが難しく、そのしわ寄せが若い子供たちに今きているのだと思います。
このギャングに入っている人たちは、口を揃えて、
「マラ・サルバトルチャは、みんな自分を大事にしてくれて、尊重してくれる。本当の家族のようだ。」
と言います。
『マラのために生き、マラのために死ぬ』
とみんな思っているんだそうです。
死が日常茶飯事なので、自分たちが10年後生きているとは思えないとみんな言います。
マラ・サルバトルチャについて話をしたメンバーや、調べたジャーナリストは殺害されることが多いのだそうです
このドキュメンタリーにでてきた元マラの人もこのインタビューの後、殺されたとのことでした。
家族という大事な要が抜け落ちている社会に、マラが彼らにとって、家族以上に大切で守りたい存在なのだと思えました。
差別や貧困がなくならない限り、このマラ・サルバトルチャは増え続ける一方だと思います。
みんなどこかで人生を諦めてしまっている彼らの顔が印象的でした。。。
日本に生きる私たちには、選択肢があります。
生きるか、死ぬか、ギャングに入るしか道がなかったら、どうするでしょうか?
次回は、監督がマラに殺害されてしまったという「La vida loca」を見てみようと思います。
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1980年代、エルサルバドルの内戦から逃れ、アメリカに渡ったエルサルバドル難民たちが、他の移民やメキシコ系ギャングから身を守るために、ロサンジェルスで作られたのが、このマラ・サルバトルチャです。
初めは、エルサルバドル人だけだったのですが、徐々に国籍を問わずメンバーに加えて行きました。
その後、アメリカから自国へ強制送還されたメンバーたちが、それぞれの国でメンバーを増やして行きました。
こうして世界に飛び火し、今や世界中に10万人のメンバーがいるとのことです

今現在、アメリカ、エルサルバドルを初め、グアテマラ、メキシコ、ホンジュラス、スペインにまでメンバーがいるそうです。
このマラ・サルバトルチャが恐れられているのは、殺人、密輸、強盗、窃盗、ありとあらゆる悪いことを全てやるというその残忍さからです。
そして、そのタトゥー。
どのギャング団に所属するのかをハッキリわからせるため、体のあちこちにタトゥーをいれます。

ドキュメンタリー「Hijos de la guerra」によると、エルサルバドルのアントニオ・サカ大統領(2004~2009)はこのギャング団に対し、
「Se acabó la fiesta!もうお祭りは終わりだ!」
と宣言し、「super mano dura」という強攻策を打ち出し、対策に乗り出しました。
多くのマラのメンバーが逮捕されるのには、すぐにわかるタトゥーがあるので、それ以後、タトゥーをしないようになってきているそうです。
あるときは、この政府の強攻策に反発した彼らが、バスの乗客20数名を無差別に殺すという事件を起こしました。
エルサルバドル国内でも、このギャング団たちは差別を受けています。
あちこちの中南米の刑務所では彼らを抹殺するためにおこした火事などで、たくさんのメンバーが故意に殺されています。
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内戦を経験し、仕事もなく、食べるものもない中で、どうやって生きていけばいいのか。。。
自分が犠牲者になるか、加害者になるか、どちらかしか選択がないのなら、やられる方を選ぶ奴なんていない。。。
貧困の中で暮らし、何も持つことができないのに、少しだけ手に入れたものを奪う人たちが憎い。。。
とメンバーが話します。
1980年~1992年の間続いたエルサルバドルの内戦で、7万人の人々が亡くなりました。

このマラ・サルバトルチャの構成員は10代~20代の若者がほとんどで、入るときには、ブリンコと呼ばれる儀式があります。
マラ・サルバトルチャ13の場合は、13秒間、殴る蹴るの暴行を加えます。
他のギャング団、M18でも、18秒間または13秒の暴行を加え、それに耐えた者が、入ることを許可されるそうです。
これはこれから起こりうる暴力にも耐えて行かなくてはならないとのことから、こういう儀式になったんだそうな。。。
映画「闇の列車光の旅」にも、このブリンコのシーンがでてきます。
暴行を加えられてぼろぼろになっても、入団することができて、笑う子の姿は異様でした。

このマラ・サルバトルチャは、若い子がほとんどなのですが、家庭環境の厳しい子が多く入ってくるそうです。
シングルマザー、貧困、家庭内暴力など。。。
そんな家庭環境から逃れるため、このマラ・サルバトルチャに入るのです。
内戦の犠牲者とも言えると思います。
この内戦で普通の家族関係を築くことが難しく、そのしわ寄せが若い子供たちに今きているのだと思います。
このギャングに入っている人たちは、口を揃えて、
「マラ・サルバトルチャは、みんな自分を大事にしてくれて、尊重してくれる。本当の家族のようだ。」
と言います。
『マラのために生き、マラのために死ぬ』
とみんな思っているんだそうです。
死が日常茶飯事なので、自分たちが10年後生きているとは思えないとみんな言います。
マラ・サルバトルチャについて話をしたメンバーや、調べたジャーナリストは殺害されることが多いのだそうです

このドキュメンタリーにでてきた元マラの人もこのインタビューの後、殺されたとのことでした。
家族という大事な要が抜け落ちている社会に、マラが彼らにとって、家族以上に大切で守りたい存在なのだと思えました。
差別や貧困がなくならない限り、このマラ・サルバトルチャは増え続ける一方だと思います。
みんなどこかで人生を諦めてしまっている彼らの顔が印象的でした。。。
日本に生きる私たちには、選択肢があります。
生きるか、死ぬか、ギャングに入るしか道がなかったら、どうするでしょうか?
次回は、監督がマラに殺害されてしまったという「La vida loca」を見てみようと思います。
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