ラビ・バトラ博士へのインタビュー | ついてる♪

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ラビ・バトラ博士へのインタビュー

SI
:あなたは著書の中で「アメリカの経済が変容すればたちまち他の国々が恩恵を受ける」と述べています。アメリカの経済はまだそれほど強力なのですか。


バトラ博士:はい。中国でさえまだアメリカが中国の物を買うことに依存しています。中国でも賃金の格差が拡大しています。世界中で、貧困は反倫理的で腐敗した経済政策、生産性は上昇しても低賃金はそのままということの結果です。指導者たちは、この不平等を除去しなければなりません。


SI
:これらの政策による解決は、他の国々の役にも立つのですか。


バトラ博士:はい。中国でも日本でもインドでもどこでも、低賃金がますます高品質化する生産物への需要を十分に生み出せないでいるのです。そこで余剰分を輸出したがります。それは継続できません。この不均衡が2009年か2010年の世界経済を崩壊させるでしょう。お金を借りやすくするために金利を下げることは生活水準を上昇させません。それはより多くの負債を生み出します。腐敗した政府は人々により多く支出させようとしますが、より多くの賃金を払おうとはしません。物を買うためにより多くのお金を借りてもらいたいのです。


私の助言は、世界中で最低賃金を徐々に引き上げ、1969年のレベルにすることです。あらゆる国における最低賃金の上昇は世界的に消費者の需要を増やし、空回転している工場の生産を増やすでしょう。より多くの人々が適切な給料で雇用されるでしょう。中国や日本のような国は、過度に輸出や海外の需要に依存することはなくなるでしょう。


自国の需要基盤が拡大するでしょう。アメリカでは、給料が増えて担保を支払うことができ、住宅メルトダウンは止むでしょう。もちろん、利益は落ちますが、1969年の正常なレベルに戻るだけです。1969年には企業は雇用に魅力を感じていました。今日でも同じでしょう。雇用は賃金に依存するのではありません。それは賃金と生産性の対立、どれだけ売り上げがあるかに依存するのであり、それは消費者の需要に依存しています。


SI
:国々の間の競争は必要なのでしょうか。


バトラ博士:商品とサービスの効率的な生産のためには競争がなければなりません。しかし、競争は低賃金の形を取るべきではありません。低賃金競争は高賃金の人々にとって生活水準の低下につながり、賃金の低い国の不均衡を生じさせるでしょう。その国はうまくやるために海外の市場、輸出に頼るようになるでしょう。


輸出で経済のバランスを取ることはできません。これまで起こってきたことは、私たちは中国や他のアジア諸国と低賃金競争をしてきたということです。しかし企業間の競争は低下しています。なぜなら他の企業を買い取り、独占企業を作ることが可能になったからです。それでCEOはますます豊かになり、価格は上がり、腐敗は続き、貧困は悪化します。


SI
:あなたは楽観的ですか。


バトラ博士:長期的には楽観しています。歴史的に、新しいシステムは常に古いものより優れています。なぜなら私たちは過ちから学び、進化は続くからです。しかし短期的には非常に苦しいものになるでしょう。


SI
:カンサス大学マクロ経済学教授のウィリアム・バレット氏は、あなたが「最も論争を呼ぶ経済学者の一人」であると述べています。それは、あなたが「現代マクロ経済学理論の最も根本的な誤謬の一つである、マクロ経済政策は分配効果を持たない、という仮説を受け入れないからである」と言います。「分配効果」とは何ですか。


バトラ博士:アメリカ経済がここまで悪化した理由の一つは、1980年代初頭にレーガン政権が、アラン・グリーンスパン氏(当時連邦準備制度理事会議長)の援助により、税負担を富裕層から中間層と貧困層に移転させたことです。彼らは税制改革を行いました。所得税を著しく下げ、その不足を埋めるために他の税金を上げました。社会保障税、ガス税、小規模事業税などがその例です。貧困層と中間層はあまりに多くの税を払ったので物を買えなくなりました。企業は物が売れなくなり、GDP(国内総生産)が減少し、貧困が増大しました。ジョージ・ブッシュ氏も同じことをやり、1980年代には経済は分配効果に耐えられるほど強かったのですが、今では、富裕層への富の移転のために、一般世帯の生活水準は下がっています。


SI
:あなたは、貪欲者たちの時代は終わると述べていますが、どういう意味ですか。


バトラ博士:私たちは兵士の時代を迎えています。その意味は、勇気ある人々が変化を起こすということです。勇気が兵士の証であり、それは規律と、弱者を助けたいという欲求です。来るべき時代には、経済的底辺にいる人々は政府から多額の援助を受けるでしょう。多くのドグマは消滅するでしょう。例えば、最低賃金を上げると失業が生まれるといった迷信です。この非合理なマントラは事実に裏付けられていません。例えば、1969年と今を比べてください。今日の金額では、1969年のアメリカの最低賃金は時給9ドルでした。今日では6.55ドルです。


ですから、このドグマによれば、1969年の失業率は非常に高かったはずです。しかし実際には、1969年の失業率はアメリカ史上最低の3.5%でした。最低失業率は、最低賃金が最も高かった年に生じたのです。商売は生産物を売らなければなりません。最低賃金が下がれば、低・中所得層の賃金が下がります。誰がこれらの生産物を買うのでしょうか。言葉を換えれば、最低賃金を上げれば、、最低賃金に裏づけされた給料は上昇し、物を売る相手ができ、労働者を解雇する必要もありません。これは合理的であり歴史の裏付けがあります。最も倫理的な経済政策が最も効果的ですべての者に恩恵をもたらすのは常識です。


SI
:グローバリゼーションは残るでしょうか。


バトラ博士:いいえ。人々はグローバリゼーションが、アメリカとヨーロッパの経済崩壊の主要な原因であることをまだ認識していません。実際、それは中国すら援助していません。それは中国の評価とGDPを上げていますが、平均的労働者の賃金は上がっていません。グローバリゼーションは世界経済にとって悪いだけでなく、環境にとっても恐ろしいものです。国から国へのあまりにも多くの輸送は原油価格を上げ、汚染に拍車をかけます。自由に海外に投資するのはよいかもしませんが、自由貿易はよくありません。物は需要がある場所で生産されるべきだからです。中国がアメリカに物を売りたいなら、アメリカに呼んで、ここで生産させるべきです。


SI
:あなたの本の一章は世界的貧困について書かれています。世界的貧困を終わらせることは可能ですか。


バトラ博士:可能であるだけでなく、それは必然です。世界には資源の不足はありません。政府の腐敗が貧困の原因です。人間の知性は、政府に腐敗がなければいかなる問題も解決できます。アメリカや他の国々は、生産性をはるかに下回る賃金を維持する政策に従っています。賃金と生産性の格差が世界中の経済的問題の主要な原因です。そのために住宅への投機が起こり、1990年代に株価が上昇した後で市場が崩壊したのです。


原油価格が高いのもそのせいです。この格差が投機を生むのです。CEOがあまりに多くのお金を持ち、彼らが政府高官を堕落させているのです。政府が汚職を除去しない限り、そしてその汚職は生産性が上昇しても賃金を低く抑える政策に反映されているのですが、問題は起こり続けるでしょう。経済は基本的に需要と供給です。賃金が需要をもたらします。生産性が供給を提供します。低賃金は需要の低さを意味します。高い生産性は供給過剰を意味します。コンピューター化、新しいテクノロジー、そしてアウトソーシングのために、人々が供給に追いつかなくなり、企業は輸出やレイオフに走ります。賃金の格差を減らすためには、私たちはグローバリゼーションとCEOの自己利益追求に反対して行動しなければなりません。それには革命が必要でしょう。



SI:あなたは10年間の最後の年が非常に重要であると述べています。

バトラ博士:はい、過去8090年間を分析すると、10年目の最後の年に、新たな10年のヒントとなるような出来事が起こっています。1929年には世界大恐慌の始まり、1939年は第二次世界大戦の始まり、1949年は中国革命と原子爆弾の投下、1959年はキューバ革命、1969年は1970年代に世界を襲った大インフレの開始、1979年はイラン革命、1989年はベルリンの壁の崩壊がありました。1999年には、グリーンスパン氏が金利を上げ始め、株式市場が暴落しました。2009年もまた極めて重要な年となるでしょう。社会周期の法則や他の周期を考慮すれば、経済は悪化し、問題は次の10年に持ち越され、変化の必要を呼び起こし、勇気ある指導者が要求されるでしょう。ですからお金を蓄えて正しいリーダーを支持することが大切です。