TOUR24 PSYCHONNECT

静岡市清水文化会館

SET LIST

01.GAUZE -mode of adam-

02.Schweinの椅子

03.Unknown... Despair... a Lost

04.Cage

05.raison detre

06.The Perfume of Sins

07.The Devil In Me

08.304号室、白死の桜

09.mazohyst of decadence

10.Ranunculus

11.ゆらめき

12.MASK

13.蜜と唾

14.蒼い月

15.業

EN

01.アクロの丘

02.予感

03.残 -ZAN-

04.SUSTAIN THE UNTRUTH

05.詩踏み

～あの頃の Dir en grey

1999年に発売されたアルバム「GAUZE」

暗転

ーGAUZE mode of adam

あの頃のアルバムを聞いていた者にとっては

懐かしすぎる金属音が響く

カン

カン、、

カン、、、、

牢獄のような映像と共に、

なぜか楽しげな遊園地のBGMのようなメロディが響く

そして、

一気に曲調はダークでヘビーなものへと移り

SEとともにメンバーが次々と登場する。

様式美ですらある光景。

懐かしくさもあり、会場のテンションは一気に

あの頃へと回帰する。

そしてSchweinの椅子。

お決まりの掛け声がDie、薫、Toshiyaの声とともに響く。

さらにvo京の声が入ることで空気が変わる。

会場との掛け合いで完遂するこの曲。

ひたすらにギターのリフがカッコイイ。

そこからのunknown、、、

これもほぼ当時そのままの曲として再現。

彼らは昔の曲をやる場合、再構築して

今の彼らなりの解釈でより洗練されたり、

よりダークにして演奏することが多いのだが、

この日は当時のGAUZEに近い構成となっていた。

それがまた懐古主義を助長する。

もちろん良い意味で、だ。

この2曲だけで感情はもう25年前にタイムスリップしている。

会場からは拍手とメンバーを呼ぶ声が鳴り止まない。

さらには当時テレビでも演奏していたCage。

イントロのオルゴールが特徴的だ。

これらの曲は少しだけ歌詞を変えていたが、

一貫していたのは、

「僕」という一人称で歌っていた歌詞が

軒並み「俺」に置き換えられていた事だ。

CageはとくにベースのToshiyaのパートが目立つ曲だが、衣装も相俟ってもうひたすらにカッコ良さと大人の色気がすごかった笑

当時の空気を出しながらも

大人になったDIR EN GREY。

そして新曲とPhalarisの曲を挟んでの

304号室。

独特なギターのリフ。

これも椅子さんもどれだけバンドスコアを眺めたか分からない。

懐かしさと、その当時は行こうとしていたGAUZEのLiveに行けなかったという自分の事情も重なり

「やっと行けた」

というあの頃の気持ちをお迎えしたような感情になっていた。

そして1999年、大阪城ホで、あの伝説の場面を生み出した

mazohyst～

Dr Shinyaの重い音が響き渡る中で

叫び続ける京の声が何とも言えない感情を産む。

今でも、人の痛み、現実の残酷さを歌うスタンスは変わらないDIR EN GREY。

それでも続く曲にラナンキュラスを持ってくる辺り

彼らなりに思うこともあるのだろう。

～

初めから気付かないフリで

自分自身生きてきたのは

上手く生きるためなんかじゃない

憎むためじゃないだろ？

誰かのために今日も笑うの？

叫び生きろ！

私は生きてる

～

終始、MCの無いDirのライブに於いて

唯一叫ぶ京の言葉。

「生きろ」

「生きてんのか？！」

そしてゆらめき、MASKと懐かしい曲が続き、

最後は罪と罰、蒼い月、業と

当時はヘドバンや、ダイブ、背ダイなど、

とにかく暴れるための曲を連ねて本編終了。

アンコール明けは

彼らにしては「歌モノ」というものが並んだ。

アクロの丘、予感、とメロディアスな当時の曲に思いを馳せた者は少なくないだろう。

間に、本家バージョンの残を流すのも

また彼ららしい。

PVまでも当時のものを流す徹底ぶり。

そしてSUSTAINからの詩踏みで

この日のライブを終えた。

どこまで行ってもディルはディルだ。

僕にとっての音の原点が全てここにある。

5人が並ぶ姿を見て、清水に来て良かった、と。

心から思えたライブだった。

まぢでカッコイイ。

ただひたすらに。

そんなチープな表現しか出来ないような

言葉にならない思いがそこにある。

Dirを聞き始めて約30年。

これだけずっと変わらず好きでいられるのは

彼らが進化し、変わり続けながらも

大事なものは変わらない。

そして1つ1つのLiveに、全てを掛ける。

これは建前ではなく、本当にそうとしか思えないほどに出し切ってくれる。

そんな姿を見せてくれてるからだろう。

彼らがLiveをしてくれる事に感謝。

ただ、ただ、感謝しかない。

2024.6.8 Direngrey PSYCHONNECT